それでも「日本はダメ」と唱え続ける韓国人 絶望的な劣等感が生む「K防疫信仰」

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「お前らは下だ」と日本に通告

――わざわざ日本語を使って、「韓国すごいぞ」と日本人に威張るのですね。

鈴置:徐台教氏だけではありません。韓国・建国大学の金容民(キム・ヨンミン)准教授も2020年2月25日、ツイッターで「韓国はすごいぞ」と日本語で誇りました。以下です。

・韓国の検査数 1日 2万超え、凄まじ人海戦術 幸い確診者は減り気味。

 この頃、大邱で感染爆発が発生、文在寅政権は「検査数の多さ」を宣伝し始めていたところです。金容民准教授もそのプロパガンダの戦列に加わった格好です。

 もっとも1日2万件の検査、というのは誤報でした。「2万超え」は累計検査数で、その頃の1日の検査数は2000件前後だったのです。「この数字は累積件数ではないか」との指摘にも、データを読み違えた金容民准教授は「韓国疾病本部の公式発表です」と頑張っていました。なお、このアカウントは2020年5月までに閉鎖されました。

――それにしても、なぜ、わざわざ日本語で威張るのでしょうか。

鈴置:日本人に「自分たちは下だ」と思わせて初めて、韓国人は「自分たちが上」と実感できるからです。だから、ことあるごとに日本人に対し「お前らは下だ」と言ってくるのです。

国民の自信を壊すな

――コロナによる死者が増え続けているというのに「K防疫」神話を維持できるものでしょうか。

鈴置:興味深いニュースがあります。青瓦台(大統領府)の朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席秘書官――首席スポークスマンですが、12月17日、ラジオ番組で「K防疫を否定することは国民の努力を否定することになる」との論理を使って、政府批判に応戦したのです。

 朝鮮日報の「青瓦台『K防疫は国民と医療陣がしたこと…なぜ、執拗に失敗と言うのか』」(12月18日、韓国語版)から発言を引用します。

・K防疫というものは国民がしたものであり、医療陣がしたものだ。だとすると、成功すべきなのに、なぜ、執拗に失敗したと言うのか。(政府が防疫に失敗したとの主張は)国民の献身と医療陣の犠牲が失敗したという話になる。

――「国民がやったK防疫だから、成功すべきだ」という理屈が分かりません。

鈴置:「韓国人の自信」という補助線を引けば理解しやすい。先ほどから申し上げているように、韓国人は極めて自信に乏しい人たちでした。メディアも含め、指導層は国がいつ分解するかと恐れ、国民に何とか自信を付けさせようと苦労してきたのです。

 青瓦台のスポークスマンは保守メディアに対し、今回のコロナ騒ぎの中、「K防疫」プロパガンダを通じ、国民に自信を持たせるのに成功した。というのに、せっかく涵養した自信を潰す気か――と詰め寄ったのです。

負け続けても手柄顔の文在寅

――韓国を観察する時は「自信」がキーワードなのですね。

鈴置:『K防疫のまやかし』から韓国人は目覚めるか 幼いナショナリズムが生む国家の蹉跌」でも指摘したように、保守系紙もK防疫批判をする際、政権の失敗は激しく追及しても、国民の民度を否定するような記事は一切書きません。

 中央日報の金玄基(キム・ヒョンギ)巡回特派員兼東京総局長が書いた「【時視各角】韓国の防疫と日本の防疫の違い」(12月23日、日本語版)は、これまでの韓国メディアの記事の中で最も激しいK防疫批判だと思います。

 ワクチン獲得競争で文在寅大統領が完全に負けたことを指摘したうえ、「勝った」菅義偉首相も後継者の岸田文雄首相も、それを一切誇らない、と指摘しました。「負け続けている」のに手柄顔をして、国民を誤魔化してきた文在寅大統領に対する怒りの表明です。

 ただ、この記事も韓国の民度を疑う書き方はしていません。むしろ、文在寅大統領の不誠実さを強調するほどに、普通の韓国人は被害者となるわけですから、「民度」は不問に付されるのです。

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