「電動キックボード」が“自転車並みに”規制緩和へ 甘利明前幹事長の後押しで急展開
「電動キックボード、16歳以上で時速20キロ以下なら免許不要に」。年の瀬に飛び込んできたこのニュースに、違和感を覚えた人もいるのではないか。つい最近までルール違反が横行していると問題視されてきた乗り物が、来年には法改正を経て規制緩和されるというのだ。なぜこんな急展開が。規制緩和の音頭を取ってきたのは経済産業省だが、キーマンは、同省に絶大な影響力を及ぼすと言われるあの“大物議員”である。
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【画像】議連メンバーとキックボードに乗る甘利明氏。左は三谷英弘議員、右は山際大志郎・経済再生担当大臣(三谷英弘衆議院議員のTwitterより)
ひき逃げ事故も発生
「ここは歩道です。危ないですよ」
「うるせーよ!」
注意する記者に、声を荒らげて立ち去る若者。つい最近までテレビではこんな場面とともに、ルールを守らない若者たちの象徴的なツールとして、電動キックボードが取り上げられてきた。現在は、原動機付き自転車と同じ扱いのためナンバープレートの装着が必要で、運転免許がなしでは運転できない。だが、
「いま大都市の街中は、無法地帯と化しています。ナンバープレートはおろか、ミラーや方向指示器がついていないボードを、若者たちが公道で乗り回している。アマゾンやビックカメラなどでは、そんな安全基準を満たしていない商品が簡単に、3万円程度で購入できるのです」(社会部記者)
そんな一歩間違えれば“凶器”となりうるモノが、横断歩道や歩道を猛スピードで走っているのだ。6月と11月には大阪ミナミの歩道でひき逃げ事故も発生し、1人が重傷を負った。東京も同様で、警視庁は6月、無免許で運転し信号無視で人身事故を起こしたとして、20代の女性を自動車運転処罰法違反などの疑いで書類送検した。都内での人身、物損事故は11月までに60件も発生しているという。
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