草津町長選「町長室で性交渉」告白の新井元町議が立候補へ 黒岩町長と全面対決の異常事態
群馬県の地元紙・上毛新聞(電子版)は12月17日、「草津町長選 新井元町議が出馬表明 『町長から性被害』告白」との記事を配信した。新井祥子元町議(52)の名前を記憶している方も多いだろう。担当記者が言う。
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【写真3枚】日本外国特派員協会で会見した新井氏と、現職の黒岩信忠町長
「町議だった新井さんは、2019年11月にライターが出版した電子書籍や、その後の記者会見などで、現職の黒岩信忠町長(74)から性被害を受けたと告発しました。15年1月に町長室で性的な行為をされたというのです。町議会は19年12月、議会の品位を傷つける発言があったとして、新井さんの除名を求める懲罰動議を賛成10、反対1の賛成多数で可決しました」
ところが新井氏は、群馬県に除名処分の執行停止を申し立てる。それを受けた県は、新井氏の言い分を認め、除名処分の執行を一時停止するよう通達。そのため草津町では、新井町議のリコール(解職請求)運動が開始される。黒岩町長も積極的に運動を後押しした。
「20年12月にリコールの賛否を問う住民投票が行われ、賛成2542票、反対208票という圧倒的多数で新井さんの解職が支持されました。ただ、一部の女性団体や有識者、全国紙、更に海外メディアなどから、『性被害の問題でリコールを行うのは不適当』、『一種のセカンドレイプに該当するのではないか』との異論も指摘されました」(同・記者)
国内ニュースの枠を超え世界的に大きく報じられてしまったわけだが、“人の噂も七十五日”。報道は次第に沈静化していった。
双方が告訴
久しぶりにニュースが伝えられたのは今年11月。新井氏はリコールの無効を求める訴訟を起こしていたのだが、最高裁が棄却して敗訴と解職が確定したのだ。
これで更に多くの人から忘れられる──はずだった。
ところが新井氏は、来年1月に行われる町長選への出馬を表明した。これで再び、町は大騒ぎになっているのだ。
「新井さんは12月13日、黒岩町長を“強制わいせつ容疑”で前橋地検に告訴しました。この容疑内容を巡って、記者の間では混乱が起きました。というのも、これまで新井さんは、電子書籍や会見で『肉体関係』などの言葉を使っていたからです。多くの記者が『“強制性交等罪”での起訴ではなかったのか?』と驚きました」(同・記者)
同日、新井氏が開いた会見でも、その点について記者から質問が出た。彼女は「性被害を受けたのは間違いない。刑法に照らし合わせて強制わいせつ容疑で告訴した」と説明した。
黒岩町長も20日に記者会見を行い、虚偽告訴の疑いで16日に告訴状を提出したことを明らかにした。前橋地検は双方の告訴状を受理したと報じられている。
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