【極秘文書入手】3回目のワクチン接種は“在庫頼み”の状況 政府の致命的失策が発覚

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来春以降の接種にも悪影響

 政治がリーダーシップを発揮せず、官僚に丸投げした結果、世界での争奪戦に敗北。もたらされたのが先の極秘資料だった。そして、木原氏を司令塔とする官邸は“不都合な真実”が表面化することを恐れ、会議自体を握り潰したわけである。

 こうした状況に焦りを募らせた岸田総理は、“幻の会議”から8日後の12月17日早朝、ファイザー社のブーラCEOと電話会談に臨んでいる。その後の会見で総理は、医療従事者や高齢者ら約3100万人を対象に、「原則8カ月以上」としていた2回目と3回目の接種間隔を1~2カ月短縮すると発表。飲み薬については200万回分の供給で基本合意したと付け加えた。

 しかし、先の官邸関係者の表情は晴れない。

「どうにかトップ会談にこぎ着けたものの、実質的には“ゼロ回答”。前倒しでのワクチン確保の言質は取れず、経口薬の納期も決まっていません。そのため、前倒し接種は依然として“在庫頼み”です。政府は当初、22年3月までの追加接種対象者を4100万人と見込んでいましたが、新規ワクチンの確保が見通せないことから、前倒し対象者を減らさざるをえなかった。このまま供給スケジュールが確定できないと、来春以降の接種にも悪影響を及ぼしかねません」

 肝煎りのコロナ対策が綻(ほころ)びを見せ始めた岸田政権。そうしたなか、霞が関の怒りを買っているのが他ならぬ木原氏である。

省庁に責任転嫁

 政治部デスクによると、

「木原さんは口癖のように“菅政権は厚労省に潰された”と漏らしています。とりわけ、菅政権下で厚労省がワクチンの国内治験にこだわり、日本の接種が大幅に遅れたことに強い不信感を抱いている。実際、岸田政権が発足すると厚労省出身の総理秘書官は任命されませんでした。そんな状態では円滑な意思疎通など望めませんが、一方で木原さんは先手の対応をアピールすることに余念がない。たとえば、岸田総理が12月6日の所信表明演説で語った“8カ月を待たずに、できる限り前倒しします”という文言は、木原さんが押し込んだと囁かれています」

 問題はそれだけではない。

 国交省は11月29日、航空会社に国際線の新規予約停止を要請した。だが、岸田総理から帰国を希望する日本人への対応を考慮してほしいとの指示があり、わずか数日で撤回している。

「この件について木原さんは報道番組で“『慎重すぎるとの批判は私が全て負う』という岸田総理の発言により、強い決意が霞が関に伝わった結果だ”と発言した。要は、国交省が独断で行き過ぎた措置を講じたと言いたかったのでしょう。しかし、1日の入国者数を5千人から3500人に引き下げるよう指示したのは政府で、これを実現するには停止要請以外に手がなかった。木原さんはここでも調整役として機能せず、しかも、最後は省庁に責任を押しつけている」(同)

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