不倫夫たちの「クリスマス」悲話 地元から離れて密会したら…思わぬ形で妻にバレた

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「テレビに映ってたよ」

 彼女の部屋に寄って着替えようとしたが、もちろん着替えだけですむはずもなく、しっぽりした時間を過ごし、ようやく帰宅したのが午前零時を回っていた。

「自宅前で、そういえばと携帯を見たら、妻からのメッセージが入っていました。『○○のサービスエリアでテレビに映ってたよ。出社だったのにおかしいね』と。心臓が口から飛び出しそうでした。テレビが取材に来ていたなんて気づかなかった。彼女と一緒にいるところが映っていたんだろうか……。家の前で引き返し、駅前で一杯ひっかけました。自宅に戻ったのは午前1時ごろ。さすがに妻も寝入っている時間だから、そうっと玄関をあけて入って行ったら、薄暗いリビングから『お帰り』という声が……」

 そこには妻が仁王立ちになっていた。そして「お疲れ様」と言いながら彼の横をすり抜けて寝室へと歩いていった。

「その晩はリビングで寝ました。朝いちで会議が入っていたので、起きてすぐシャワーを浴びてごはんも食べずに出かけました。妻は『行ってらっしゃーい』と見送ってくれたけど、僕は妻の顔を見られなかった」

 その夜、寝室で妻が言った。「さあ、説明してもらおうか」と。その言い方がおかしくて私は吹き出しそうになったが、彼はもちろん真顔である。

「ただひたすら、すみませんでしたと言うしかなかった。何もしていません、ただ彼女がドライブしたいというからしました、と。『で? 離婚したいの?』と妻に言われて『とんでもないです』と言いました。うちの妻はめったに怒らない。しかも、あんなに上から言われるとは思ってもいなかったのでビビりまくって、僕はずっと敬語でした(笑)」

 それだけ妻の怒りは大きかったのだ。それを理解した悟さんは、美奈子さんに謝り倒して「これからは友だちとして会いたい」と告げた。美奈子さんは「友だちになんてなれない、なりたくない」と去ったという。

「あれからも毎年、妻は『今年のクリスマス、どうする?』と言うんです。そのたびに僕はぎくりとし、妻はにやりと笑う。心臓によくない季節が今年もやってきたなと思います」

 13歳と10歳になったふたりの子たちは、今年も自宅でのクリスマスを楽しみにしているようだ。

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