羽生結弦を襲った「五輪ボイコット要請文」騒動 許されない選手の政治利用

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 中国のウイグル族弾圧が、深刻な人権侵害であることは論をまたない。そんな国で開催される五輪に懸念がもたれるのも当然である。が、問題をアスリートにぶつけるのは筋違いだ。新たに政治問題に巻き込まれたのは羽生結弦選手。集中力を奪われなければいいが。

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 今シーズンの羽生結弦選手にとっては、2度目の試練だと言えようか。

 最初の試練は、言うまでもなくケガである。先月12~14日に行われたグランプリシリーズ第4戦NHK杯直前、練習中に転倒。今シーズンは一度も試合に出ることなく、右足関節外側の靱帯を損傷してしまった。

 以来、公式には一度も姿を現していないが、フィギュア担当記者が言う。

「12月22日から、さいたまスーパーアリーナで開催される全日本選手権が、2月上旬に始まる北京オリンピックの前に演技をアピールできる、最後の大きな大会です。羽生選手はすでにエントリーしていて、地元の仙台で最終調整中と聞いています。オリンピックで披露するプログラムで、どの程度の点数を獲得できるのか、まだ把握できていない羽生選手としては、オリンピック本番に向けて、プログラムをどう調整し、改めればいいかを判断するうえでも、全日本への参加が必須といえます」

北京五輪ボイコットを呼びかける手紙が

 いま羽生選手が、オリンピックの金メダル以上に目標にしているのは、クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の成功だという。関係者が補足するには、

「12月7日、羽生選手の27回目の誕生日には、4回転半ジャンプをイメージしたケーキがプレゼントされ、ご満悦だったようです」

 ところが、そのわずか2日後、2度目の試練に見舞われる。祝福されて高まったであろうモチベーションが下がりかねない、あまりに不躾な「プレゼント」が届けられたのである。「ウイグルと日本の未来を考える会」の名で、ツイッターに投稿されたのは、次の文面だった。

〈北京五輪ボイコットを呼びかける手紙を羽生結弦選手に送ってみました。「自分の大切な価値観や主義主張を中国共産党に売り渡して得た金メダルに価値なんてない」というエネス・カンター選手(編注・NBA選手)の呼びかけも含めて。読んでもらえるかもわからないけれど、英断してくれることを祈っています〉

 ツイートには、羽生選手のマネジメント事務所や日本スケート連盟など、3カ所に宛てた手紙の写真も添えられていた。

 もっとも、直後にツイートは大炎上し、「羽生君を政治利用するな!」「池江選手にやった行為と同じだ」などと批判が殺到。投稿者はツイートを削除して謝罪する羽目になった。

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