日本製なのに「メイド・イン・チャイナ」? 江戸時代の有田磁器が中国製として売り出された理由(古市憲寿)
「大明成化年製」。明とは1368年から1644年にかけて存在した中国の王朝、成化とはその元号の一つである。今風に言えば「メイド・イン・チャイナ」だ。江戸時代に佐賀(肥前)で作られた焼き物には、「大明成化年製」と銘款されたものがある。
銘とは、器に記された商標や作者名のこと。どうして日本製のプロダクトが、わざわざ「メイド・イン・チャイナ」を名乗ったのか。その興味深い背景を佐賀県の九州陶磁文化館の鈴田由紀夫館長に教えてもらった。
佐賀は、有田焼、伊万里焼、唐津焼など、磁器や陶器が世界的に有名である。...