なぜ雅子皇后と紀子妃への評価が10年で逆転したのか “皇室特権”への批判と公私教育の差異

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“逆転”の要因は

 雅子さまは、まだ万全とは言えないものの、その後、病状が徐々に回復。

 愛子さまも中高時代の「激やせ」騒動や「遅刻癖」など、時折トラブルはあったものの、日常を取り戻された。学習院大学に進学し、学生生活を謳歌されているのは周知の通り。

「逆転」には、さまざまな原因が考えられるが、

「やはり“親子の関係”が、大きな要因でしょう」

 と述べるのは、前出・神田秀一氏である。

「愛子さまは一時、難しい時期もありましたが、その間も、母娘でしっかりとした対話をされてきたのではないでしょうか。日常が戻った後、愛子さまは批判に耐えられてきたご両親の苦しい姿をご覧になっているだけに、感謝の念を強く抱かれた。それがお誕生日の文書での“できる限り両陛下をお助けしていきたいと考えております”とのお言葉に繋がったのだと思います」

 それに比べて、秋篠宮家は、4年前の「小室問題」をきっかけに親子の対立が露呈した。ご夫妻は結婚に否定的。佳子さまは姉の眞子さんを応援する側に付いた。

借り受けたティアラに表れたもの

「いみじくも殿下ご自身が会見で“よく口論をする”と述べられたように、紀子さまと眞子さん、佳子さまの間の意思疎通がうまくいっていなかったのは明白です。“公と私”の関係も上手く教え損ねられた印象がある。この差が国民の目には好ましからず映ったことでしょう」

 また、

「現・天皇、皇后両陛下は、平成の両陛下が築き上げてこられた『国民に寄り添う皇室』を踏襲しようとされていると感じます」

 と述べるのは、静岡福祉大学の小田部雄次・名誉教授(日本近現代史)である。

「例えば、先の成年行事で愛子さまは、ティアラを新調せず、黒田清子さんのものを借り受けられました。コロナ禍で苦しむ国民に寄り添うとの天皇家のご意思を感じました。国民統合の象徴という、皇室の在り方を思い起こしました」

 一方の秋篠宮家は、

「一貫して、従来型とは異なる新しい皇室像を目指してこられました。先の殿下のお誕生日会見でも“時代の変化に即した皇室であることが大切”とおっしゃったように、例えば“大嘗祭は私費で行うべし”など、従来の皇室とは異なったお考えを主張してこられました。お子様方を学習院でなく、ICUやお茶の水女子大附属に進学させられたのも新しいスタイルでした。これにはもちろん賛否両論あるとは思いますが、コロナ禍など先行きの見えない時代にあっては、国民が安心感を抱くのは“平成流”の踏襲の方ではないかと感じます」

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