なぜ雅子皇后と紀子妃への評価が10年で逆転したのか “皇室特権”への批判と公私教育の差異
12月9日、58歳の誕生日を迎えられた雅子皇后。公表された文書からはご体調の回復ぶりが十分に窺われた。それに比して、眞子さん「駆け落ち婚」もあり、紀子妃への世間の目は冷ややかになる一方。なぜお二人の人生は逆転したのか。明暗を分けた「裏側」を探る。
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【写真16枚】平成5年の婚約会見で笑顔を見せられた「雅子皇后」
この初冬、天皇家に続いたお祝い事。
まずは12月1日、愛子さまがお誕生日を迎えられた。今年で20歳。成年となられるに当たって発表されたご感想の中身については、「週刊新潮」12月16日号で報じた通りである。
その8日後、今月9日には、雅子皇后が58歳のお誕生日を迎えられ、こちらも長文の文書を公表。
そこには、
〈娘の愛子が成年を迎え、多くの方々から温かい祝福を頂きましたことに心から御礼を申し上げます〉
との感謝のお言葉から始まり、コロナの犠牲者、また7月豪雨での被害者へのお悔やみなどがつづられている。続いてノーベル賞を受賞した眞鍋淑郎博士や大谷翔平選手の活躍を寿(ことほ)ぎ、
〈国民の皆様から日頃よりいただいている温かいお気持ちに対し、厚く御礼を申し上げます〉
と再び感謝のお言葉を述べ、締められた。
回復ぶりを窺わせた養蚕についての記述
さる皇室ジャーナリストは、
「回復基調にあるとはいえ、まだ波があるご様子。実際、記者会に配られるご予定表には、天皇陛下のスケジュールしか記載されていません」
と言うものの、文書を見れば、そのご回復ぶりは窺えて、
「印象的だったのは、養蚕について触れられていることですね」
と述べるのは、皇室ジャーナリストの神田秀一氏である。
雅子さまは、今年ご自身の印象に残ったこととして、
〈2度目となった養蚕も、初めて、全ての作業に携わることができ、今年も無事に終えることができましたことを嬉しく、また有り難く思いました〉
と述べられている。
この養蚕、明治以降、代々の皇后が継承されてきた行事だ。皇居の中にある養蚕所で蚕を育て、その絹は正倉院の宝物を修復するのに使われているという。
「とりわけ美智子上皇后が大変ご熱心で、一度は飼育の中止が検討されたものの、たってのご希望で残されたほど。雅子さまは皇太子妃時代、見学こそすれ、蚕に触ったことはありませんでしたが、今回は全工程を担われた。美智子さまも大変頼もしく思われているのではないでしょうか」(先のジャーナリスト)
前出・神田氏も、
「雅子さまはご回復の途上にある中でも、可能な限り公務をこなされ、その上、養蚕にもチャレンジなされている。素晴らしいことだと思います。その1週間前、愛子さまが出された文書も、成年皇族になられたご自身のお立場をしっかりと理解し、天皇陛下を支える決意が記されていました。本当に大人になられたな、という印象です」
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