“キックの鬼”沢村忠さんは引退後、9年間消息不明に…その間何をやっていたか【2021年墓碑銘】

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「頑固一徹な面も」

 1男2女を授かる。娘の玲子さんはスカウトされ、タレントや歌手として活躍。

「信頼したから友達だ、と自宅にも呼んで下さった。質素な暮らしでトロフィーなど活躍を偲ばせるものは全く置かれていなかった。子供たちにも問われなければ昔話をしなかったくらい徹底していました」(織田さん)

 2001年に『真空飛び膝蹴りの真実』を上梓したスポーツライターの加部究さんは言う。

「腰の低い丁寧な人で、頑固一徹な面もありました。往年のイメージを崩さないことを大切にしている様子が伝わってきました」

 空手の呼吸法を毎日続けるなど、自分に厳しかった。

 昨年夏に体調を崩し、進行した肺癌が見つかった。昨年10月には細田昌志さんが『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝』(新潮社刊)を出版、改めて沢村さんが注目されていた。

 3月26日、78歳で逝去。

「講演を勧められても、お茶を飲みながら小人数で話すなら、と遠慮するほど。ひとりの人間として対等に付き合ってほしいと言われても、やはり以前の活躍が浮かびます。孤独だったのかもしれません」(織田さん)

デイリー新潮編集部

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