「ガッテン!」終了に中高年はガックリ 志の輔の人気長寿番組を打ち切るNHKの思惑
NHKの「ガッテン!」が来年3月をもって終了する。1995年にスタートした前身番組「ためしてガッテン」の初回から立川志の輔(67)が司会を務め、四半世紀以上も続く長寿番組だ。世帯視聴率は10%前後(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)と決して悪くない。それでも終了させるのは、ガッテンできない理由があるかららしい。
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「ガッテンしていただけますでしょーか?」
食や健康など身近な生活の話題をテーマに、これまでの常識を科学で覆し、新たな知識を伝えるのが「ガッテン!」だ。95年の番組スタート時、志の輔は41歳。2年後にアシスタントとして加わった小野文恵アナ(53)は20代だったわけだ。ここまでよく続いたと言うのは芸能記者だ。
「番組は2018年10月に放送1000回を達成しました。志の輔師匠がいるからバラエティ番組のような柔らかさがありますが、内容は歴とした科学番組といっていい。よくもネタが続いたと思います。NHKの科学番組の部署が担当していて、1回の制作に4カ月も費やすそうです。民放ではマネのできない番組でしょう」
NHKならではの番組だったわけだ。
「現在、志の輔師匠が出演する唯一のレギュラー番組でもありました。2015年に紫綬褒章を受章した後も続けているので、愛着もあったでしょうね」
志の輔は、チケットを取るのが最も難しい落語家の一人だ。東京・渋谷のPARCO劇場での1カ月公演「志の輔らくご in パルコ」をはじめ、地元富山でほぼ毎月開催される落語会「志の輔のこころみ」、さらには全国津々浦々で年間150本以上の高座を務めている。その間を縫って、よくもまあこんなに長く番組を続けたものだ。
地方の高座でも人気
「本業の落語のためにも、出演を続けるだけのメリットがあったのだと思います。何しろ全国放送ですからね。地方の人にとって落語家といえば『笑点』(日本テレビ)のメンバーという認識がある中、落語家・志の輔を全国区にした番組といってもいいでしょう」
そもそも志の輔が師匠の談志に入門したのは、29歳になる直前と遅かった。さらに、入門してすぐに談志が落語協会を脱会してしまったため、“寄席を経験しない弟子第1号”となった志の輔は、落語立川流の実験台と呼ばれていた。
「本人は後に、売れるためなら何でもやったと話しています。それがテレビのレポーターであったり、ナレーションだったりしたわけですが、特にハマったのが『ガッテン!』でした。いまや地方の落語会でも、『……ガッテンしていただけますでしょーか?』の一言で会場が盛り上がると聞きます」
そんな番組がなくなるのだ。民放プロデューサーが言う。
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