アル中の妻は浮気、娘は万引きで補導… 家庭が崩壊した不倫夫の告白「僕の何がいけなかったのか、誰か教えて」

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高校生になって荒れた娘、向き合ったときに放った一言

 娘は、希望していた公立高校に進学した。40代半ばになった学さんは、新しい部署の立ち上げに尽力し、会社からの信頼も厚くなった。有紀子さんと部署は違ってしまったが、ふたりの関係も盤石だと思っていた。

「そのころですかね、絵理奈が急に仕事を辞めたのは。疲れたとぽつりと言っていました。何か趣味でも始めたらどうかなと勧めましたが、本当に妻の心に寄り添ってはやれなかった。仕事と有紀子の存在だけが大事だった。娘は絵理奈に任せていた。だけどそれが間違いでした」

 高校生になった娘がたびたび補導されるようになったのだ。荒れているようには見えなかったのだが、万引きを繰り返していた。

「家族に向き合って、と有紀子に言われました。『私は大丈夫、待ってるから』と。だから仕事も極力、定時で引き上げるようにして娘と話し合った。娘は『ママは壊れてるよ。パパ、知ってるの?』と。娘が学校に行っている間、どうやら絵理奈は家に男を引き込んでいたようです。衝撃でした。さらに台所を調べたら、床下の収納庫にワインの瓶がたくさんあって……。不覚でした」

 妻は再入院した。娘に心から詫び、彼は「ママのいない間、ふたりでがんばろう」と真摯に言った。

 それから5年の間に、妻は入退院を繰り返し、自宅に戻りたくないと言い出したため、病院近くにアパートを借りた。どうやらアパートに出入りしている男性がいるらしい。責めるつもりはなかったが、自宅に戻ってきてほしいと言うと妻の目がつり上がった。

「浮気しているくせに何よ、って。妻は知ってたんですね。『自分だって』と言いたかったけど言えなかった。僕の不倫が妻を追い詰めたのか、妻は追い詰められたから僕の浮気を探ったのか。そのあたりはわかりません」

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