オミクロン株「弱毒化」説を検証 終息への“救世主”となる可能性も

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 デルタ株が蔓延した第5波、最も痛ましかったのは、自宅療養者の急死が相次いだことだ。オミクロン株が蔓延した場合、はたして入院できるのか。ただし、この変異株、12月13日時点で重症者も死者も報告されておらず、終息への救世主になるとの見方も出ている。

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 年末に向けて華やぎを増す師走。新型コロナウイルスの感染者数が増える兆しは、こと日本ではいまのところ見えず、気の置けない仲間との会食など、当たり前の日常を久しぶりに味わっている方も多いと思う。

 一方、ネガティブな予定変更に奔走している人たちも少なからずいる。たとえば、今月9~12日に大阪で開催予定だったフィギュアスケートのグランプリファイナルは中止され、年末の風物詩であるベートーヴェン「第九」の演奏会は、外国人指揮者らが来日不能になり、各地で変更を余儀なくされている。

コロナ禍の終息は後ろ倒しになるのか

 言うまでもなく、南アフリカで感染が広がる新しい変異ウイルス、オミクロン株の流入を防ぐために、全世界からの外国人の新規入国が、11月末日から原則として停止されたからである。徐々に緩められていた入国規制はふりだしに戻り、帰国した日本人の待機期間も、最短3日にまで短縮されていたのが、一挙に元の14日間に戻された。

 日本の水際対策はイスラエルと並んで、世界で最も厳しいものとなったが、欧米諸国も、アフリカ南部に対象国を絞りながらも、渡航を制限している。

 日本を含む各国が、オミクロン株への警戒を強めたのは、WHO(世界保健機関)が11月26日に、この変異株を「懸念すべき変異株」(VOC)に指定してからだ。新たなVOCの登場は今年初めてで、しかも、感染力はデルタ株よりもさらに高い可能性があるというから、各国が警戒するのも、もっともな話である。

 事実、オミクロン株はすでに、世界四十数カ国に広がっている。また、震源地の南アでは、12月3日の新型コロナの新規感染者が1万6055人と、2週間前の20倍以上に激増。その7割以上がオミクロン株と考えられるという。

 こうした展開を受け、われわれが最も気にし、心配するのは、端的に、以下のことではないだろうか。オミクロン株は日本でも蔓延する可能性があるか。デルタ株などと同様に重症化リスクはあるか。もし重症化した場合は入院できるのか。すなわち、自宅で待機中に重症化し、命を落とすという不幸は繰り返さずにすむのか。そして、新たな変異株の登場によって、コロナ禍の終息は、さらに後ろ倒しになるのか――。

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