北京五輪をボイコットせよ! 「Jアノン」が1年ぶりに大集結を実況中継
中国系の反中共運動
Jアノンにも、これらの宗教団体の関係者が関わっている。特に街宣やデモといった路上での活動の主力は、サンクチュアリ教会や幸福の科学の信者が関わる保守系政治団体だ。その周囲で法輪功がチラシや新聞を配り、法輪功系メディアがデモを取材してネットに「ニュース」として流す。
昨年11月29日に都内で行われたトランプ支援運動にはこれら全てが勢揃いし、1000人近い規模のデモを開催した。アメリカに亡命した中国人実業家・郭文貴がトランプの元側近のスティーブン・バノンとともに設立した「新中国連邦」の姿もあった。中国共産党に批判的な中国人の参加が多かったのだろう。あちこちで中国語が飛び交う国際色豊かなデモだった。
法輪功や新中国連邦などトランプを支持する中国系の反中共運動は、前出の安田氏流に言えば「Cアノン」。この時のデモは「J・Cアノン・オールスター」とも言える豪華な顔ぶれだった。
それから1年。反北京五輪を掲げ、彼らが再び大集結したのだ。
信仰、陰謀論、愛国、反中共
昨年、トランプ支援の街宣やデモを行っていたのは「トランプ米大統領再選支持集会・デモ実行委員会」。そこに複数のサンクチュアリ教会関係者、あるいは関係者が代表を務める政治団体が関わっていた。同じ関係者が、今回の「北京五輪ボイコット推進集会・デモ」にも「スタッフ」の腕章を着けて参加。シンポジウムや街宣でも、登壇してスピーチした。
やはり昨年からトランプ支援デモ等を繰り返してきた幸福の科学信者の男性も、主催者側関係者として登壇。信者であることを明かした上で、「私達は戦い続けなければならない、皆様方はそのためにこの地上に生まれてきた」と、信仰に基づいて中国共産党と戦う決意を語った。
私が席につきシンポジウムの開始を待っていた際、若い男性がチラシを手渡してきた。
「いま反中国の映画を作るための資金を集めています。よろしくお願いします」
チラシにある監督の名を見ると、これも幸福の科学の関係者。2012年に尖閣諸島に無断上陸して中国を刺激した幸福の科学信者がいるが、その時の様子を追ったドキュメンタリー映画『尖閣ロック』(2013年公開)の監督だ。
デモや街宣の周囲では法輪功が、中国共産党批判だけではなく法輪功の功法を学ぶ道場の案内も含んだチラシを配布。また、来年2月に劇場公開予定の幸福の科学の映画『愛国女子 紅武士道』のチラシも配られた。そこには、こんなメモが貼られていた。
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