北京五輪をボイコットせよ! 「Jアノン」が1年ぶりに大集結を実況中継

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 12月12日、東京・銀座の数寄屋橋交差点を120人ほどの集団が行進した。来年2月に開催される北京冬季五輪のボイコットを訴えるデモだ。一体、彼らは何者なのか。ジャーナリストの藤倉善郎氏が実況中継する。

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「人権侵害国家に五輪開催資格はな~い!」

「日本政府は北京五輪を外交的ボイコットしろ~!」

 12月12日。小春日和の日曜日を楽しむ人々で賑わう銀座・数寄屋橋交差点を、120人ほどのデモ隊が大音量で叫びながら通り過ぎていった。

 掲げられる旗の大半は日の丸だが、先頭にはチベット旗や内モンゴル(南モンゴル)旗身にまとう人の姿も。ウイグル、台湾、香港も含め、中国関連で外交・人権問題を抱えた地域の旗を1枚にまとめた幟旗(のぼりばた)もあった。

 保守系団体による「北京五輪外交的ボイコット推進デモ」だ。

 来年2月の北京冬季五輪については、欧米諸国の「外交的ボイコット」表明が相次いでいる。日本でもこうしたデモが行われるのは当然だが、主催者や参加者の顔ぶれが興味深かった。約1年前、アメリカ大統領選をめぐって日本でトランプ支援デモを繰り返した「Qアノン」の日本版、いわゆる「Jアノン」の面々なのだ。

 反北京五輪デモなのに「Make America Great Again(偉大なアメリカを再び)」、「TRUMP2020」などと書かれた赤い帽子をかぶった参加者が何人もいた。

統一教会、幸福の科学、法輪功、新中国連邦……

 Qアノンは、アメリカの政治が「ディープ・ステート(影の政府)」に操られている等とする陰謀論を掲げ、それと戦うトランプこそがアメリカ大統領に相応しいとして支援運動を展開した人々だ。大統領選でトランプがバイデンに敗れると、今年初めには連邦議会議事堂襲撃事件を起こして死者まで出した。

 日本でも類似の主張を掲げデモや街宣を繰り返した人々がいた。そのうち、福岡で開催されたデモを、ルポライターの安田峰俊氏がデイリー新潮「博多でトランプを支援する『Jアノン』 デモ密着で見えた正体」(21年01月19日配信)でリポートしている。

 アメリカのQアノンには、ネット上で集う個人のほかに、保守的な宗教勢力も関わっている。その中には日本でも活動している団体もある。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)、その分派で教祖・文鮮明(ムン・ソンミョン)の7男・文亨進(ムン・ヒョンジン)が率いるサンクチュアリ教会(日本での団体名は「日本サンクチュアリ協会」)、法輪功などだ。

 文亨進は連邦議会襲撃事件の際、議事堂前広場で行われていたQアノンによる抗議活動にも参加。自身は議事堂に突入はしなかったようだが、催涙弾が飛び交う広場の様子をリポートする動画をYouTubeで公開している。また、トランプが演説した今年の保守合同イベント「CPAC(保守政治活動会議)」には幸福の科学の信者が登壇。現地メディアでも幸福の科学とQアノンとの関係が取り沙汰された。

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