Z世代は長生きを望まない? 希望の寿命は79歳…「長生きしたって仕方ない」と諦観

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 令和の時代を生きる若者たちの将来展望はいかようか。シチズン時計が18歳から25歳のZ世代と呼ばれる男女を対象に、理想の「人生の時間割」を調査した。

 結果の数字を平均すると、結婚は31歳、子を持つのは33歳。マイホームを36歳までに持ち、56歳までにリタイアしたいという。ナンと30歳前の退職を16%が望んだとかで、年金は60歳から受け取りたいそうだ。

 さらに「何歳まで生きたい?」という問いへの回答は、男性が平均81歳、女性が平均78歳、ならして79歳と出た。現在、日本人の平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳だから、Z世代は「今の人ほど永らえられなくていい」と考えていることがわかる。

 これには政府も頭が痛かろう。人生100年時代を謳い、一億総活躍の旗印のもと、今年、70歳までの就業機会を確保するよう企業に努力義務を課した。なのに若者は国の構想など知らぬ顔、長寿に無関心で、さっさと引退したいというのだ。

 Z世代に詳しいトレンド評論家の牛窪恵氏は、

「若者たちが長生きを望まないことは、すでに10年ほど前から国や民間の調査で明らかになっています」

 と言うのである。

「2007年に“消えた年金問題”で年金制度への懸念が高まりました。将来設計に不安を抱え、長生きするには充分な備えが必要との考えを強くした親の意識が、Z世代に反映しているわけです。金の余裕なくしては健康に生きていけないと理解し、ならば無理に長生きしなくてもいい、との思いが強いのです」

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