二階元幹事長の党本部5階の部屋への来客がひっきりなし 「訪中・訪朝」「維新との接近」工作で捲土重来を期す
裏方トップの手配で
自民党の幹事長を5年超にわたって務めた二階俊博氏の現在の肩書きは、「国土強靭化推進本部長」だ。幹事長の座を降りたことで、表舞台から去ったかと思えばさにあらず。自民党本部5階にあてがわれた本部長室には来客が絶えない。岸田文雄首相が党総裁選に打って出る際、党役員任期の設定などを訴えて「二階切り」「二階外し」を展開したわけだが、自民党を離党してさすらった後に復党して幹事長などを歴任した実力者らしく、捲土重来を期しているようだ。
「5階の部屋は自民党の元宿事務総長が手配したそうです。彼は党のカネと選挙を牛耳る人物で、定年をはるかに超えた今もなお事実上の裏方トップに収まっています。そんな元宿さんが二階さんに気を遣って部屋をしつらえ、二階さんの側近の林幹雄元経産相もそこで付き従って仕事をしています」(自民党関係者)
もちろん裏方トップが独断で判断できるはずがなく、今回の処遇は岸田首相(総裁)がハンコを捺した結果だ。
「岸田さんにとって二階さんを干し続けることは得策ではなく、誰よりも自民党の内部事情を知る元宿さんが動いてくれたことで、“元宿さんがそこまでやるなら仕方ないか”と党内の空気も流れやすいので、渡りに船だったのではないでしょうか」(同)
菅グループと組めば第2派閥へ
「二階さんを干し続けることは得策ではない」というのは、党内の派閥事情によるものだ。
党内の派閥勢力は以下の通り。
安倍派95
茂木派53
麻生派53
二階派44
岸田派42
菅グループ20~30
石破グループ10前後
「岸田派は党内第5派閥で最弱。単独では心もとないので麻生派や茂木派との連携を模索しており、実際、麻生、茂木の両氏とは良好な関係を構築しています。麻生さんとしては宏池会勢力を再結集する『大宏池会』の実現とキングメーカーであり続けたいという願望があり、茂木さんとしては次の首相総裁候補としての基礎を固めたいという思いがあり、岸田さんと戦略的互恵関係にあります」(先のデスク)
一方の二階派は幹事長職を失って非主流派のように映るが、
「二階さんが関係を深めている菅グループと合わせれば第2派閥レベルに手が届きます。老練な二階さんを干して刺激しすぎるのはアンチ岸田勢力の結集を促進するだけでしょうし、岸田さんはそのことをよくわかっているはずです」(同)
[1/2ページ]