日本は及び腰の「中国の弾圧」問題 在日のウイグル人ら訴え、中国公安はメールで恫喝
「私たちは消されようとしている」――在日ウイグル人女性の叫び
11月13日、東京都内で「アジアの民主化を促進する東京集会」が開かれた。チベット人(チベット自治区)とウイグル人(新疆ウイグル自治区)、そして南モンゴル(内蒙古自治区)の女性たちが敢えて素顔を晒し、彼女たちにとっての“母国”が中国に弾圧されている悲惨な実態を訴えたのだ。
チベット仏教の僧や尼僧が弾圧を受けている実情を語ったのは、チベット人のソナム・ギャルモさん。同化政策で矯正施設に送られた尼僧が中国当局から性的暴力を受けていることも明らかにした。
日本に滞在して16年になるウイグル人のグリスタン・エズズさんは、中国政府が推し進めて来た「一人っ子政策」が民族弾圧にも使われ、これに反した女性は無理やり中絶させられていると明かした。さらにはウイグル人女性が中国人(漢民族)の男性と強制的に結婚させられていると訴え、集団結婚式の写真や、男性に“報償”として与えられる車が並ぶ写真を掲げた。
さらには臓器売買目的で、ウイグル人の中学生(男女)が襲われて内臓をえぐられ畑に埋められていた事件もあったという。事件を告発した男性は警察に連行されたといい、「あれだけ多くの監視カメラがあるのに犯人は捕まらない」と嘆く。そして、
「私たちは消されようとしている。消えた後で歴史の教科書に載せてもらっても何の意味もない」
「日本の国会はミャンマーに対しては非難決議を行ったのに、なぜ中国にはできないのか」
と怒りをぶつけた。
この集会とは別に、10月29日には東京・立川市で、千葉大学非常勤講師を務めるウイグル人女性、ムカイダイスさんによる「在日ウイグル人が語るウイグル・ジェノサイドの真実」と題する講演も開かれた。ここでも呼びかけられたのは日本国民への連帯である。
ムカイダイスさんは、東京大学に留学している知人のウイグル人女性(30代)の経験について語った。現地の友人らが受けている中国当局からの人権弾圧の実態をゼミで報告したが、誰も信じてくれなかったというのだ。日本人がいかにウイグル問題を理解していないかの証拠であり、「中国の国内問題」としてしか報じないマスコミの姿勢も関係していると、ムカイダイスさんは言う。ウイグルの研究をしている日本の学者は少なくないものの、「中国の機嫌を損なうと中国に行き来できなくなるから、弾圧されている現地の実情を伝えようとはしない」と言うのだ。
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