売れっ子子役から地下アイドル、AV女優に…営業職も始めた「27歳女性」が最近感じること

  • ブックマーク

バイト先にスカウトマン

 そうして高校を卒業したが、就職はしなかった。彼女にとって仕事は「芸能」以外は考えられなかった。それでも毎日、仕事があるわけではない。空いている時間に、六本木界隈の芸能人御用達のBARでアルバイトをするようになる。結局3年以上つづけたアイドル活動には見切りをつけ、辞めていた。

 紗理奈が働いていたBARの常連が、AVのスカウトマンだった。彼女も声をかけられたが、はじめは断った。それでもしつこく通っては口説いてきた。

「話だけでも良いから、って言われてたから、話聞いてみて嫌だったら断ろう、って思うようになってきて。それで事務所に行ったんです。そしたら凄いビックリしたんです。『明るい』というか『普通』の雰囲気で。AV業界、その事務所ってもっと暗い、ドロドロしたところだと思ってたんで……」

 事務所に行った日、紗里奈は「やってみようかな……」と返事をした。その翌週にはAVメーカーの面接をめぐるスケジュールが組まれ、その次の週には初仕事が決まった。

「もう。あっという間でしたね。初めてのギャラですか? 5万円です。2時間くらいで終わったんで。でも正直、『安いんだなぁ』って思いましたね。1カラミだけで、内容もソフトだったのもありますけど」

 『安いギャラ』でも、彼女はAVの仕事は辞めようとは思わなかった。ここにも子役や売れなかったアイドル時代の影響がある。

「だって『主役』『主演』なんで。私にとってAVでも地上波のドラマでも『作品』であることには変わりありません。演じることは同じなんです」

 AVはいいけれど風俗店では働きたくない、というのもこうした考えがあるためだ。彼女にとって、男優は「作品」のための共演者。だが風俗の客はそうではなく、行為も「作品」にはならない、からだ。

 気になるのは家族の反応だ。

「はじめての撮影から帰ってきて、親に言いました。『AVに出てきたから』って。実家暮らしですから、『今日はどこ行ってたの?』とか聞かれてそのうちバレちゃいますからね。親はびっくりしていましたけれど、『ドラマとか撮るのと同じだから』って説得して。アイドル辞めてからバイト以外何もしていなかったから、仕事をし始めたことで、そこは安心だったみたいです」

 まさかの即日親バレである。いまでは友人も皆、彼女がAVに出演していることは知っている。初対面の相手がいる飲み会でも「はじめまして、AVの仕事やってまーす」と隠さないそうだ。

次ページ:月に1本のペースで撮影、そして意外な“副業”も…

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[4/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。