ブームで増える「サウナ」 アナリストが選ぶ“今年アツかった限定施設”2選

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ハブハブ(HUBHUB)日本橋人形町

 最近、新規オープンのサウナは一人用の「個室」サイズで、水風呂の代わりにシャワーを備えたタイプのところが多い。いわゆるソロサウナと呼ばれる店だが、スペースや設備を小さくすることで、従来のスタイルのサウナでは進出が難しかった駅前などの立地にサウナを開店できるというメリットがある。11月22日に実証実験施設として三井不動産が始めたHUBHUBは、そんなサウナと「スペース」を考えるうえで面白い施設である。

 HUBHUBの特長は、3つの「ユニット」から成り立っているところにある。キッチンを備える「パーティールーム」ユニット、2段ベッドとシャワールームを有する「宿泊」ユニット、そしてフィンランド式ヒーティングルームを備えた「プール」ユニットである(公衆浴場法の関係なのか「サウナ」とは謳っていないが、ここで便宜上サウナとしたい)。

 サウナ室は薫り高いヒノキ張りで、テレビも時計も温度計もなし。セルフロウリュが可能なHARVIA製ストーブが静かに部屋を暖めている。ヴィヒタがついてくるのも憎いサービスだ。定員の8名が入ればいっぱいになるコンパクトサイズながら、上部には天窓があり、開放感がある。

 こうした施設はしばしば水風呂の問題(ぬるい、無い)があるが、HUBHUBにはそんな心配は無用。自宅のバスタブサイズながらキンキンに冷えた水風呂が備え付けられており、さらには横になって“ととのう”ことができる外気浴スペースもある。水着を着用しなければならないのが人によってはネックに感じるかもしれないが、入ってみれば意外と気にならない。なにより東京駅から電車で20分ほどの街中に突然現れた施設であることを鑑みれば(隣のビルの窓から外気浴の姿は丸見えなので)、無理もない。

 そう、HUBHUBの売りは“突然”現れるところにある。三井不動産が狙うのは、使われていない「遊休不動産」の活用だ。これまで余ったスペースはコインパーキングなどに活用されることが多かったが、トレーラーハウスであるHUBHUBは、従来の施設のようなコストをかけることなく、サウナを備えた宿泊施設を、そうした空き地にオープンさせることができるのだ。

 遊休不動産の活用に限らずとも、大規模イベントに合わせ宿泊施設の少ないエリアに出店することができる。また都市圏だけでなく、キャンプ場にオープンさせるのも面白そうだ。周辺に川や湖、海があれば自然の水風呂で“ととのう”ことが可能となる。さまざま可能性を秘めた施設だ。

 宿泊ユニットを使用しないプランは11時~15時の利用で、料金は2万円から。私は12月の日曜日に「デイユース満喫プラン」でパーティールームとプールユニットを利用し、料金は4万円だった。サウナにしては高いかと思われるかもしれないが、定員の8名で割ればひとりあたり5000円である。友人たちを招き、食材を持ち込んでサウナ食事会を満喫できた(宿泊の場合は定員4名で、料金は6万円から)。実証施設のため年明け1月末までの期間限定のオープンで、現在は予約で満員だそうだが、関係者によると延長の可能性もある、とのことだった。

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