新しい時代を担った「松坂世代」の電車7選 いまも現役の箱根登山鉄道「1000形ベルニナ号」

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(7)北九州高速鉄道1000系――跨座式モノレールの新時代を築く

 跨座式(こざしき)モノレール(アルウェーグ式)は、名古屋鉄道モンキーパークモノレール線や東京モノレールで実用化されていたが、重心が低いため台車部分が車内に張り出す構造にならざるを得ない難点があった。

 それを解消すべく、日本モノレール協会は日本跨座式を考案。重心を高くすることで台車を床下に納め、車内のオールフラット化が実現した。初めて実用化されたのは、1970年に開催された万国博覧会であるが、「場内輸送機関」のため、鉄道の新線開業とはみなされていない。

“正式な鉄道”として陽の目を見たのは北九州高速鉄道で、1981年3月に1000系が登場。4年後の1985年1月9日に開業した。運転区間が※小倉―企救丘(きくがおか)間に統一されていることから、前面の行先表示が固定式というのが特徴だ。車体はクリームをベースにブルーの帯を巻くが、現在はすべて広告のフルラッピングが施されている。

 北九州高速鉄道を皮切りに、その後開業したモノレールは一部を除き、日本跨座式を採り入れており、近代化や利便性向上に大きく貢献した。

 ※1985年1月9日の開業時、北九州高速鉄道の小倉駅は、現在の平和通駅に所在していた。その後、JR九州の小倉駅ビル完成に伴い、1998年4月1日に現在の小倉―平和通間が延伸開業し、利便性が大幅に向上された。

岸田法眼(きしだ・ほうがん)
レイルウェイ・ライター。1976年栃木県生まれ。『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人)、『AERA dot.』(朝日新聞出版)などに執筆。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(ともにアルファベータブックス)がある。また、好角家の一面を持つ。引き続き旅や鉄道、小説などを中心に著作を続ける。

デイリー新潮編集部

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