新しい時代を担った「松坂世代」の電車7選 いまも現役の箱根登山鉄道「1000形ベルニナ号」

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(3)箱根登山鉄道1000形ベルニナ号――箱根登山鉄道の傑作

 1936年以来、45年ぶりの新型車両として1981年に登場した“早生まれ車両”。1979年6月に姉妹鉄道関係を結んだスイスのレーティッシェ鉄道ベルニナ線にちなみ、ベルニナ号の車両愛称を付与した。

 従来車に比べ、座席は背もたれの向きが変えられる転換クロスシートを採用し、快適性が大幅に向上。また、側窓も大きくとり、眺望性の向上を図った。

 1981年3月17日にデビューすると、1982年に鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞。先述した小田急電鉄7000形LSEに続く“2年連続の同学年受賞”という快挙は、特筆に値する。

 なお、当初は2両編成だったが、現在は中間車に2000形を連結した3両編成で運行。転換クロスシートはボックスシートに改造された。

(4)長崎電気軌道2000形――「軽快電車」デビュー第1号

 日本鉄道技術協会が1978年から新しい路面電車の開発研究に乗り出し、「軽快電車」として実用化されることになった。おもな概要は、一般的な電車で実用化された最新技術を路面電車にも導入し、滑らかな高加速とブレーキ、乗り心地の向上、冷房機の搭載、電力消費の削減による省エネ化などを実現させることだ。

 新時代の路面電車は、「21世紀の電車」という意味で2000形と名づけられ、1980年8月9日にデビュー。1981年には鉄道友の会からローレル賞(前年に営業運転開始した車両を対象に、選考委員会の協議により選定するもの。おもに技術的にすぐれた車両が選定される)を受賞した。

 しかし、2014年3月30日をもって引退。34年の歴史ながら、路面電車では珍しい短命車両となった。

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