新しい時代を担った「松坂世代」の電車7選 いまも現役の箱根登山鉄道「1000形ベルニナ号」

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 2021年のプロ野球界では、松坂大輔投手(41)の現役引退が話題になった。高校時代から「平成の怪物」と称され、プロ入り後は「松坂世代」という新語も生まれるなど、時代を牽引する存在となったのは改めて言うまでもない。

 松坂世代とは1980年4月2日から、1981年4月1日までに生まれた人を指す。この言葉が台頭したのは松坂投手がプロ入りして5年目の2003年で、当時は大卒の和田毅投手や村田修一選手などがプロ入りし、ルーキーイヤーから結果を残したからだ。

 プロ野球ではほかに藤川球児投手、杉内俊哉投手ら、大相撲では第68代横綱朝青龍、元小結普天王(稲川親方)、芸能界では広末涼子や妻夫木聡など、そうそうたる顔ぶれが松坂世代にあたる。

 それは鉄道車両でも同じ。新しい時代を担うエポックメイキングな車両を多く輩出していたのだ。まさに“大豊作”と言える松坂世代の車両のうち、特筆すべき7つを御紹介しよう。【岸田法眼/レイルウェイ・ライター】

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(1)国鉄185系――国鉄特急の概念を覆した特急〈踊り子〉の顔

 特急形電車ながら、普通電車も運用できる“二刀流”が特徴。従来の国鉄特急とは大きく異なる、斬新なデザインが大きな話題を呼んだ。

 153系、165系の急行形電車を順次置き換えるかたちをとり、1981年3月26日に普通電車としてデビュー。3月28日から急行〈伊豆〉の運用に就く。

 車両更新が予定通り進み、10月1日のダイヤ改正で特急〈あまぎ〉、急行〈伊豆〉を統合した「エル特急(現・特急)〈踊り子〉」として、ようやく本来の運用に就いた。また、1986年11月1日から〈湘南ライナー〉(定員制の通勤ライナー)にも就き、乗車整理券300円(当時)で確実に着席できることから好評を博す。分割民営化後はJR東日本が継承した。

 その後、塗装変更を含むリニューアル、原色塗装の復元、2013年からは臨時快速〈ムーンライトながら〉の3代目車両に抜擢された。

 2021年3月13日のダイヤ改正で定期運用を離脱。現在は臨時快速を中心に運用されているが、先が短いものと思われる。

(2)小田急電鉄7000形LSE――Luxury Super Express

 自社の特急ロマンスカー車両としては、3100形NSE(「New Super Express」の略)以来、17年ぶりの新型車両として登場。3100形NSEで好評を博した先頭車の展望席は、10席から14席に増やした。また、座席もリクライニングシートにグレードアップした。

 1980年12月初旬に竣工すると、“即戦力”の如く、12月27日に営業運転を開始。5日後に1981年を迎えると、鉄道友の会(全国規模で展開する鉄道愛好者の団体)から、ブルーリボン賞(前年に営業運転開始した車両を対象に、会員の投票により最優秀車両を選定)を受賞した。

 その後、塗装変更を含むリニューアル、原色塗装の復元を経て、2018年10月13日に引退。現在は先頭車1両が2021年4月19日にオープンしたロマンスカーミュージアムに展示されている。

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