新庄剛志、立浪和義に続くか…“監督待望論”が多い大物OBの「実名」

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監督よりも球団社長

 野村克也(元ヤクルト、阪神監督)を筆頭に、森祇晶(元西武、横浜監督)や梨田昌孝(元近鉄、日本ハム監督)、現役では矢野燿大といった名捕手だった人材は、司令塔というイメージの強さもあって監督を任されることが多い。そのカテゴリーで監督候補となりそうなのが、城島健司(元ソフトバンクなど)、と里崎智也(元ロッテ)だ。

 城島は引退後。趣味の釣りを中心に活動し、野球とほとんどかかわりがない状態だったが、王貞治会長のオファーを受けて昨年から「会長付特別アドバイザー」に就任した。現場とは少し離れた立ち位置ではあるが、球団に復帰を果たしている。

 これまで指導者に対する意欲が感じられるような発言は少ないが、日本人選手で唯一捕手としてメジャーでプレーした彼の経験は、指導者としても大きなプラスであり、今年で45歳という若さを考えても、ソフトバンクにとっては貴重な人材であることは間違いない。

 一方、里崎も正捕手として2度の日本一に貢献したロッテのレジェンドであり、第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では世界一の経験も持つ。引退後は歯に衣着せぬ発言で解説者として人気を集め、YouTubeの「Satozaki Channel」はチャンネル登録者数約49万人(2021年12月現在)と、元プロ野球選手の配信番組の中でも屈指の人気を誇る。

 本人は監督よりも球団社長をやりたいと語っているが、社会人野球のパナソニックで臨時コーチを務めるなど、指導者としての経験を積んでいる。将来は経営的な面に関わるという条件付きで、オファーを球団が出すようなことがあれば、すんなりと監督就任ということも十分考えられるだろう。

思い切った人事が他球団へ波及

 これまで挙げた3人は引退後、野球の現場から離れていたが、一度監督やコーチを経験したOBの中にも復帰を望む声が聞かれる人材は少なくない。秋山幸二(元ソフトバンク)、古田敦也(元ヤクルト)、金本知憲(元阪神)、高橋由伸(元巨人)なども待望論が少なくない監督経験者である。このほか、巨人・桑田真澄投手チーフコーチなども監督としての姿を見てみたいというファンは多いのではないだろうか。

 昨年の今頃はまさか新庄が監督として日本ハムに復帰すると思っていたファンは皆無だったはずであり、その思い切った人事が他球団へ波及することも否定はできない。今後もファンをワクワクさせてくれるような監督が新たに誕生することを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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