佐々木朗希、宮城大弥だけじゃない…2001年度生まれ「新黄金世代」が日本球界を席捲する可能性

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ドラフト会議の上位候補たち

 一方、高校からのプロ入りを選ばなかった選手も、社会人野球や大学野球で順調な成長を見せている。大阪ガス・河野佳は、来年のドラフト会議で注目を集めそうな好投手である。広陵時代に甲子園で活躍した右腕で、社会人でも2年目の今年からエース格へと成長した。

 7月の日本選手権ではチームの優勝に大きく貢献し、先日開幕した都市対抗野球の初戦で完封勝利をマークしている。176cmと上背はそれほどないものの、安定した下半身を生かしたフォームで制球力と投球術は、高卒2年目とは思えないレベルだ。140キロ台前半から中盤が多いストレートが、コンスタントに145キロを超えてくれば、一気に上位候補となることも考えられる。

 大学生では、東洋大・細野晴希や名城大・松本凌人、上武大・進藤勇也などが早くも2年後のドラフト会議の上位候補として注目を集めている。細野は、長いリーチを生かした豪快な腕の振りから投げ込む140キロ台後半のストレートと鋭く変化するスライダーが魅力の本格派サウスポーだ。

 松本は、最速150キロを誇る本格派サイドスローで、6月の大学選手権では初戦の沖縄大戦で3安打完封と見事な全国デビューを飾った。パワーピッチャーでありながら、スタミナがある。

 進藤は強肩強打の大型捕手。高校時代からスローイングに定評があった。大学で見違えるほど打撃が力強くなり、早くから中軸を任されている。今秋は故障に苦しんだが、来春以降も注目を集めることは間違いないだろう。

 プロ野球に話を戻すと、今季は怪我で不本意なシーズンに終わった中日・石川昂弥や、右肘の手術から復活の兆しを見せている巨人・堀田賢慎、大砲候補の阪神・井上広大なども控えている。こうした2001年度生まれの選手が、将来、日本球界を“席捲”する日も近いかもしれない。「~世代」と呼ぶには1人が突出しているわけではないだけに、今後も彼らの“出世レース”にぜひ注目してほしい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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