泉田裕彦議員が録音データを公開、それでも「裏金要求」告発が今ひとつ盛り上がらない理由

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 自民党の国会議員が、自民党のベテラン県議から「買収資金を要求された」と告発──。この報道に驚いた方は多かったに違いない。他に類を見ない事態と言っていいだろう。

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 新潟県の地元紙「新潟日報」電子版は12月1日、「泉田氏『裏金要求は星野県議』星野氏『事実無根』法的措置検討も」の記事を掲載した。要点をまとめると、以下のような具合だ。

▼衆議院議員の泉田裕彦氏(59)は10月の衆院選で再選を目指したが、小選挙区の新潟5区では落選。比例復活を果たした。

▼泉田氏は11月29日、Twitterに「【総選挙の闇:新潟5区】」と題したツイートを投稿。《今回の衆議院総選挙で、2〜3千万円の裏金要求をされました》と暴露した。

▼泉田氏は12月1日、東京・永田町の衆院議員会館で記者会見を行い、裏金を要求したのは自民党元新潟県連会長で県議の星野伊佐夫氏(82)だと明らかにした。

▼会見で泉田氏は、星野氏が以下のような《買収》を意味する発言をしたと述べた。

◇「比例に引っかからなかったら終わりだよ」
◇「2000万や3000万円の金を惜しんで一生を投げ出してはいけない」
◇「いちいち警察に報告するわけじゃないんだから」
◇「(金を)まけ、まけ」

▼質疑で「星野氏の発言は一般的な選挙費用を指すのでは?」と問われ、泉田氏は「金を有権者に渡す意味に解釈した」と答えた。刑事告発については明言を避けた。

買収の“相場”は30万円!?

 星野氏も報道陣の取材に応じ、「事実無根」と全面否定。泉田氏と衆院選に関して打ち合わせをしたことは認めた上で、以下のように反論した。

◇「必要な経費があったら各支部に出さなきゃいけないよ」とは言った。
◇「お金を渡さなかったらあなた落ちる」と言ったことはない。
◇今後の対応によっては法的措置を検討する。

 担当記者は「泉田さんと星野さんは、かつて“師弟関係”と呼ばれたほど蜜月な時期がありました」と言う。

「泉田さんは京大法学部から当時の通産省に進み、2004年から16年まで新潟県知事を3期務めました。星野さんは田中角栄元首相(1918〜93)の後援会『越山会』幹部で、1978年から県議を務めています。2009年には自民党の新潟県県連会長にも就任しました。当選12回という、まさに“新潟政界のドン”です。元知事が元県連会長に反旗を翻したわけで、星野さんからすればまさに“飼い犬に手を噛まれた”ようなものでしょう。なぜ、こんなことが起きたのか、謎は少なくありません」

 永田町関係者も「録音の全てを聞くまでは軽々なことは言えませんが、我々の常識では考えられない点があります」と首を傾げる。

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