「正確な情報」が「無謀な開戦」につながったという痛恨の逆説――日米開戦80年目の真実
近年、ファクトやエビデンスの重要性が盛んに指摘されています。その裏には、「正しい情報」に基づいて考えれば「正しい判断」を行うことができる、という予断が見え隠れしているように思えます。
しかし、「正しい情報」が必ずしも「正しい判断」に結びつくとは限りません。経済学者の牧野邦昭氏が著した『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』では、「正確な情報」こそが、かえって政策決定者たちを「無謀な開戦」へと駆り立ててしまったという逆説を、鮮やかに読み解いています。...