「金メダルでなければ結婚が否定される」 向田真優が明かす試合前の重圧と勝機を掴んだ瞬間(小林信也)
大学の女子選手がコーチを好きになった。コーチは選手を好きになった。互いに独身。二人は結婚を約束し、1年後の東京五輪で“必ず金メダルを獲ろう”と誓い合った──。その選手・向田真優は、吉田沙保里、伊調馨らが輩出した名門・至学館大の4年生で主将だった。コーチの名は志土地翔大。“コーチが選手と恋愛するとは何事だ”と、チーム内外から二人の恋愛は猛反発を受けた。
他の選手の拒否反応も強かった。向田と志土地の恋愛がわかると、練習の雰囲気はひどく乱れた。志土地は責任を取り辞表を出した。...