「第一次世界大戦での楽勝」が日本の針路を狂わせた

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 成功体験こそが失敗の原因になる――このようなケースは現実社会でしばしば見られます。たまたま幸運に恵まれただけなのに、それを「実力」や「必然」と過大評価して、状況判断を誤ってしまうのです。

 80年前の日米開戦という無謀な決断の背景にも、そのような錯誤があったと指摘するのが、国際政治学者の細谷雄一氏が著した『歴史認識とは何か 日露戦争からアジア太平洋戦争まで』です。副題の通り、日米開戦に至る道のりを日露戦争まで遡って分析している本ですが、興味深いことに、日本が国際社会の潮流から外れて転落していくきっかけの一つに「第一世界大戦」を挙げています。...

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