中日・又吉克樹がFAで争奪戦へ…それでも残留したほうがいい“気になる理由”
セ・リーグを代表する中継ぎ投手
ヤクルトの20年ぶり6回目の日本一で幕を閉じた今年のプロ野球。各球団は既に来季に向けての戦力補強に動き始めているが、早くもフリーエージェント(以下FA)権の行使を表明して注目を集めているのが、中日・又吉克樹だ。
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2013年のドラフト2位で、独立リーグである四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズから中日へ入団。1年目から中継ぎの一角に定着すると、ここ数年は少し成績を落としていたが、今年はキャリアハイとなる33ホールド、防御率1.28という見事な成績を残した。
独立リーグ出身の選手がFA宣言するのはこれが初めてだ。セ・リーグを代表する中継ぎ投手に対して、既にオリックスやソフトバンク、DeNAなど複数球団が興味を示しており、激しい争奪戦となるのは必至の状況。もちろん、中日も引き留めに向けて交渉を継続していくが、果たして、又吉にとっては残留、移籍、どちらのメリットが大きいのだろうか。
ソフトバンクは好条件を示すか
まず契約の条件面となると、やはり移籍した方がプラスは大きいのではないだろうか。日本ではメジャーほど極端ではないものの、FAとなった年に活躍した選手は他球団から好条件を提示されることが多い。
近年では17年オフの野上亮磨(西武→巨人)、19年オフの福田秀平(ソフトバンク→ロッテ)の2人が最たる例だ。野上は自己最多に並ぶ11勝をマーク。福田はレギュラーシーズンの成績こそ例年並みだったが、ポストシーズンでの活躍で強烈なインパクトを残し、ともに大型の複数年契約で他球団へ移籍している。
又吉の今季年俸は4200万円(推定)と言われているが、資金力のあるソフトバンクなどはかなりの好条件を提示すると見られており、他球団の条件も当然その影響で上積みが期待できる。これに対して、中日は引き留めのために、大幅な年俸アップと複数年契約(3年4億円)を条件に下交渉は行っているが、単純な金銭面だけを考えると、やはり他球団へ移籍した方がプラスとなる可能性は高い。
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