「松田直樹と向き合う緊張感が懐かしい」 ノンフィクションライター・宇都宮徹壱が明かす素顔
写真家・ノンフィクションライターとしてさまざまな取材経験のある宇都宮徹壱さん。『蹴日本紀行』などサッカーの魅力を伝える著書も多く手掛ける彼が、“もういちど会いたい”と熱望するサッカー選手とは?
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和田勉(演出家)、永田洋子(革命家・死刑囚)、坂上二郎(コメディアン)、田中好子(元キャンディーズ)、児玉清(俳優・司会者)、長門裕之(俳優)、原田芳雄(俳優・歌手)、小松左京(SF作家)、松田直樹(サッカー選手)、立川談志(落語家)、市川森一(脚本家)、上田馬之助(プロレスラー)、柳宗理(工業デザイナー)――。
まさに、多士済々。職業も世代もさまざまな、この人たちには、ある共通点がある。いずれも10年前の2011年に、鬼籍に入っていることだ。東日本大震災があった年は、著名人の訃報が相次いだ一年でもあった。
この中で最も若く、なおかつ取材を通して言葉を交わしたことがあるのが、元日本代表の松田直樹である。享年34という、若すぎる死。しかも死の2日前、当時所属していた松本山雅FCでのトレーニング中に意識不明となり、そのまま帰らぬ人となった(死因は急性心筋梗塞)。その衝撃ゆえに、NHKをはじめとする各局の報道番組は、松田直樹の死をトップで報じた。
さて、私は写真や文章でサッカーの魅力を伝えることを生業としている。ただし、個々の選手に取材以外で接することは皆無で、現役選手にインタビューする機会も極端に少ない。そんな中、松田直樹については2回、ロングインタビューしたことがある。
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