脱税容疑で逮捕の日大「田中理事長」 7年前に“相撲部口座”で国税からの呼び出しを拒否していた

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東京五輪の影響

 そして田中容疑者はこの別口口座から自らカネを引き出し、これも日大本部の至近距離にあるSMBC日興証券市ヶ谷支店に開設した自分名義の証券口座に移して株取引、それもハイリスク・ハイリターンの信用取引を執務室のパソコンで行っていたという。

「料調が田中容疑者の証券口座を調べた時点で、口座には約3億円が存在していましたが、この口座からカネが引き出された形跡は一度もありませんでした。そのため3億円は信用取引の委託保証金ではないかとも言われました。同容疑者は学内で『調査に入られて以降、株取引はやっていない』と話していたようです」(田中氏)

 こうした結果を受けて、東京国税局は田中容疑者が相撲部の資金を着服している可能性があると考えた。だが、同容疑者が相撲部の資金を自身の証券口座で運用している理由や資金の帰属など不明確な点が多いため、同容疑者から直接事情を聴く必要があるとして、15年春には再三にわたり聴取に応じるよう要請した。ところが同容疑者がこれを頑なに拒み、国税局側も細部まで詰め切れないまま調査を打ち切らざるを得なかったとされる。田中氏が語る。

「当時の田中容疑者はJOC副会長の地位にありました(17年に辞任)。5年後の東京五輪開催を控え、安倍晋三・自民党政権(当時)に忖度した当時の国税庁上層部が、同容疑者へのさらなる追及を控えるよう調査現場に指示した可能性がないとは言えません」

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