「社内調達した妻」が義母の死をきっかけに憎悪を爆発… 48歳「不倫夫」に覚えた違和感
12年つづく既婚女性、他にも
もともと大恋愛というわけではないことが、どうしても引っかかっていたのだろうか。彼は帰国してから、常に恋人がいる状態だったという。
「30代後半からすでに12年ほどつきあっている亜矢子という既婚女性がいるんです。3歳年下の彼女には、ある会合で出会って一目惚れしました。彼女も僕を好きだと言ってくれた。でもふたりとも子どもがいる。いっそふたりで逃げようかと言ったこともあります。だけど現実を考えると駆け落ちはできなかった。彼女の夫が出張の多い人だったので、子どもが寝静まった夜中、彼女の家で会ったこともあります。別室で子どもが急に泣き出したりしたこともありましたが、それでも彼女のことは愛していた」
ただ、彼の心理は複雑だ。亜矢子さんをそれほどまでに愛しているのに、「いつでも会えるわけではない」ことにストレスを感じ、さらに年若い恋人・淑恵さんを作ってしまったのだ。
「保険をかけておきたいというか……。亜矢子とはいつでも会いたいけど、そうもいかないときもある。そんなときは本当に寂しいんですよね。さっさと家に帰ればいいのはわかっている。帰れば子どもたちも妻も笑顔で迎えてくれるはず。それなのに足が素直に家に向かない。一杯ひっかけて帰ろうと思ってバーに寄ったら、淑恵と出会ったんです。それが6年前で、彼女は15歳年下です。甘え上手なのは亜矢子と同じですが、まだ大人になりきれていない固さとかわいさが同居しているところに惹かれて」
だが、そんな仁史さんの行状は、妻にはすっかり見抜かれていた。仁史さんが、家庭と恋人ふたりとの危ういバランスを保っていると思い込んでいるとき、妻はすでに知っていたのだ。長年の恋人がいることも、年下の恋人に夢中になっていることも。
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