「社内調達した妻」が義母の死をきっかけに憎悪を爆発… 48歳「不倫夫」に覚えた違和感
「不倫」は世間一般的には「いけないこと」だが、現実にしている人たちがいるのだから断罪しても始まらない。だが、不倫の恋をたくさん見ていると、ある種の「品位」は必要なのだと思う。相手の気持ち、配偶者の気持ちをどこまで思いやれるか。そこでその男性の人としての品が問われるのではないだろうか。「ゲスな」不倫を繰り返していれば、配偶者にいずれ逆襲されても不思議はない。【亀山早苗/フリーライター】
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「妻は本当に寛容で心の広い人間だったんです。それが今では人が変わったようになってしまった……。追い詰めたのは私なんでしょうけど」
つぶやくようにそう言うのは、都内在住の会社員である西野仁史さん(48歳・仮名=以下同)だ。中肉中背、さっぱりした和風のさわやかな顔立ちで、非常に若く見える。
彼が1年の社内恋愛を経て、同い年の泉美さんと結婚したのは28歳のとき。
「泉美は本当に性格のいい、やさしい女性です。仕事を通してそれはよくわかっていた。言葉が悪いけど、妻向きでしたね。それに当時、私は海外勤務を控えていたので、妻を“社内調達”するのは社内全体の暗黙の了解みたいなものでした。大恋愛というよりは、需要と供給というか、ニーズが一致したというか……。結婚しないと一人前じゃない風潮があったんですよね」
どこか言い訳がましいのだが、つまりは惚れたはれたの結婚ではなく、妻となるべき女性が身近にいたため、当時「必要だった」結婚へと流れていったということなのだろう。
結婚してすぐ妻とともに海外へ。3年間の駐在を経て帰国したときは、すでに1歳になる長男がいた。その2年後には長女も生まれた。だが彼は、仕事で海外へ行くことも多く、なかなかいい夫にもいい父親にもなれなかった。
「妻は文句ひとつ言わずがんばってくれました。妻の実家近くに住んでいたので、あちらの両親も助けてくれた。妻はいい母親でしたよ。イライラすることもなく、常に子どもにやさしかった。私にも。だけどそれが私には少し物足りなかったんですよね」
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