コロナ感染者減少の本当の理由は? 増減は4カ月周期…次回のピークは1月半ばか
AIも予測した4カ月周期
実は、「4カ月周期」はAIも導き出していた。それは名古屋工業大学の平田晃正教授(医用工学)らが開発したAI予測システムで、そこが唯一、「人流が増えても8月後半には感染者が減る」と予測していたのである。平田教授が言う。
「私は公衆衛生分野での工学が専門で、熱中症の搬送者数を、前日や前々日の暑さなどをもとに計算し、予測する研究などに取り組んでいました。今回はAIに人流、気温や湿度などの気象条件、平日か休日か、緊急事態宣言の有無、ワクチン接種の効果などの条件を学ばせ、予測しました。人流にしても、公園や飲食店、乗降駅の人出まで、多岐にわたるデータを使っています。その結果、実際の感染者数の推移と似た結果が出たのです」
平田教授は、人流の影響も大きいと考えており、
「過去を振り返ると、日本は大型連休のたびに感染が拡大してきました。統計的に分析しても、この夏もやはり、オリンピック、パラリンピック開始時の7月の4連休とお盆に、感染が拡大したというデータが出ています。お盆が終わって人流が収まり、加えてワクチン接種が進んだことで、急速な感染収束という予測を、AIが打ち出したのだと思います」
ピークは1月14日ごろか
だが、収束の原因として、ほかの要素も認める。
「AIが、波が起きる一定の周期を予測しているのは事実。周期のデータをあらかじめ組み込んでいないにもかかわらず、AIが周期的な波を予想するのは、日本に周期が生まれやすい土壌があるからかもしれません。ウイルスの習性も関係しているのでしょう。日本は波ごとに、新しい変異株が流入しているし、一定の間隔で連休がある。だから諸外国にくらべ、比較的きれいな4カ月の波になっているのかもしれません」
では、AIは第6波について、いつ、どのくらいの規模で訪れると予想しているのだろうか。
「来るとすれば、波のピークは1月14日ごろで、東京都の1日当たりの新規感染者数は、370人程度となっています」
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