「新幹線の長寿車両」歴代ベスト5 超スピードの運転で短い命…最長は45年
第3位:JR西日本※500系(1992年~)…29年
意外と思われるかもしれないが、現役最年長はJR西日本の500系である。
歴史を紐解くと、1992年に500系試作車『WIN350』が登場した。最高速度350km/h、新大阪―博多間を2時間20分台で結ぶための試験車両である。実際に350km/h運転は達成できたが、騒音が国の基準を超えてしまう。残念ながら、その課題も解決に至らず、旅客営業用の500系は最高速度320km/hに落ち着いた。
1995年12月に旅客営業用の500系が姿を現すと、『WIN350』は1996年5月31日でお役御免となった。
その後、500系は山陽新幹線内300km/h運転、東海道新幹線内270km/h運転に落ち着き、1997年3月22日に新大阪―博多間の〈のぞみ〉でデビュー。11月29日よりついに東海道新幹線への直通運転を果たす。
しかし、N700系の投入により、〈のぞみ〉の運用は2010年2月28日をもって終了。現在は16両編成から8両編成に組み直され、さらに最高速度も285km/hに落とされ、山陽新幹線内の〈こだま〉として存在感を大いに放つ。
第2位:JR東日本200系(1980~2013年)…33年
東北・上越新幹線の開業2年前となる1980年に登場。東海道・山陽新幹線以上に過酷な環境を走行するため、耐寒耐雪構造の強化を図り、万全を期した。1987年4月1日の国鉄分割民営化後はJR東日本が継承した。
当初は12両編成で食堂車の連結は見送られた。のちに東海道・山陽新幹線の100系に倣った同じデザインの先頭車、さらに2階建て車両も登場するなど、様々なバリエーションが生まれた。一時期ながら、上越新幹線〈あさひ〉の下り列車2本を対象に275km/h運転が実施された。
200系は東北新幹線東京―盛岡間、上越新幹線大宮―ガーラ湯沢・新潟間、北陸新幹線高崎―長野間に足跡を残した。(越後湯沢―ガーラ湯沢間は戸籍上、在来線扱いだが、JR東日本は便宜上、上越新幹線と案内している)
晩年は後輩の400系が2010年、E1系が2012年に相次いで引退し、200系はしぶとく残っていたが、2013年4月14日の団体列車〈さよなら200系号〉新潟行きをもって引退。国鉄時代に登場した新幹線電車のすべてが営業線上から姿を消した。
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