ひろゆき氏が「年末ジャンボを買う人は頭が悪い」とツイート 説得力がまるでない思考回路を分析

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「夢を買う」派の割合

「1位の回答に『ひろゆき氏の指摘通りだ』と考える人もいるでしょう。しかし、それは早計です。アンケートは複数回答ですから、『お金目当てではない。宝くじで夢を買っている』という2位から4位の割合を足すと108・3%に達します」(同・記者)

 この調査結果だけでも、ひろゆき氏の「頭の悪い人が、宝くじを買うと金持ちになれると考えている」という指摘は的外れだと言わざるを得ない。

「そもそも1位の『賞金目当て』という回答と、『夢を買う』という回答は相反するものではありません。年末ジャンボの1等賞金は7億円です。1等賞金は魅力だけど、当選するなんて全く考えていない。そんな風に考えてくじを買った人が、アンケート調査には『賞金目当て』と回答しても不思議はないでしょう」(同・記者)

 宝くじの公式サイトには、2020年度の「宝くじ長者白書」の内容も紹介されている。これは20年度の1年間に1000万円以上の当選金を受け取った高額当選者のアンケート調査をまとめたものだ。

「高額当選者が宝くじを購入してきた理由は、『夢を持ちたいから』が48%に達しました。最も少なかったのは『お金が欲しくて一発勝負』で11%。購入頻度に関する質問でも、『ジャンボのみ』を買っている人が37%と最多でした」(同・記者)

経済学と宝くじ

 購入歴に関する質問では、「10年以上」の回答が68%に達した。

「高額当選者に対するアンケート調査と照らし合わせると、《頭の悪い》貧乏人が一攫千金を求めて宝くじを買っているという、ひろゆき氏の発言は間違っていることが、更に鮮明となります。ジャンボ宝くじを筆頭に、娯楽として無理しない範囲で長期的に購入している人がたくさんいる。そして、そういう人たちに高額当選という幸運が訪れるという面白い現象が、数字でも明らかになっているわけです」(同・記者)

 経済学の観点からも「宝くじを買う行為は決して非合理だとは言い切れない」と指摘されている。

 久留米大学商学部教授で経済評論家の塚崎公義氏は2019年7月、Webマガジンの「WEDGE Infinity」に「宝くじが人気な理由を考える」を寄稿した。

 塚崎氏は1981年に東京大学法学部を卒業し、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行したという経歴の持ち主。メディアへの寄稿では「経済評論家」の肩書を使うことが多いようだ。

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