人気の占い師「星ひとみ」は第2の細木数子になれるか 法令遵守で今やレアな存在

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 人気占い師だった細木数子氏が11月8日に死去した。享年83。訃報は多くのメディアで取り上げられたが、テレビ業界には特別な感慨があったという。番組制作に携わるベテランのスタッフが言う。

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「テレビ業界にとっては占い師というだけでなく、『人生相談の巨匠』でした。一つの時代が終わったという感慨を持つ業界関係者は少なくないでしょう」

 番組が高視聴率となり、飛ぶ鳥を落とす勢いだった時期もあった。だが、テレビ業界がコンプライアンス(法令遵守)を最重要方針にしてから風向きが変わった。

「反社会的勢力との接点や墓石ビジネスを巡る疑惑などが表面化し、テレビ業界も距離を置くようになりました。細木さんが出演者に厳しく説教をするところが、番組としての見どころでした。視聴者にはウケましたが、現在のテレビ業界はコア視聴率を重視し、親子が楽しめる良心的な番組制作が主流です。そんな風潮に細木さんの魅力が合致するかは疑問と言わざるを得ません」(同・スタッフ)

 占いを扱う番組そのものにも、ある種の逆風が吹いているという。

 BPO(放送倫理・番組向上機構)の公式サイトには「日本民間放送連盟・放送基準」が参考資料として掲載されている。《第8章 表現上の配慮》には、以下のような記述がある。

《占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない》

テレビに出られる占い師

 前出のスタッフも「占いに特化した番組が制作しにくい状況になっているのは間違いありません」と言う。

「そもそも視聴者が歓迎してくれるとは限りません。『やらせ』、『嘘』、『インチキ』、『洗脳』、『科学的根拠がない』などと、批判される要素が多いのです。占い番組自体がネタ切れであり、マンネリ化しているという事情もあるでしょう。今、特にバラエティ番組に携わる関係者で、『占い番組をやろう』と考える人間は少ないと思います」

 だが、矛盾するようだが、人間の関心事は簡単に変わらないというのも古今東西の真理である。

「視聴者が占いに関心を失ったわけではないのです。朝の情報番組における『占いコーナー』は定番でしょう。バラエティ番組でも1コーナーとして、占い師が登場することは少なくありません。逆風が吹いているのは事実でも、占いを娯楽として捉え、『本当によく当たる』と評判になるか、『楽しめる占い』ならばOKだと言えます」(同・スタッフ)

 そんな中でも、テレビで活躍している占い師もいる。

「島田秀平さん(43)、ゲッターズ飯田さん(46)、ラブちゃんの愛称で呼ばれるLOVE ME DOさん(46)といった面々です。不思議なことに3人とも、お笑い芸人としての経歴を持つ男性という共通点があります」(前出の記者)

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