SMAP解散から5年 5人の仕事は今どうなっているか 中居正広だけがCMゼロの意外
3人が民放に出られないのはやっぱり…
順を追って考察したい。まず稲垣、草彅、香取が民放にほとんど出られない理由は、誰もが想像する通り、民放がジャニーズ事務所に忖度しているから。
飯島さんが故・メリー喜多川名誉会長と反目し、袂を分かつ形で新事務所・CULENを旗揚げしたためである。
2019年、公正取引委員会がジャニーズ事務所に対し、「(稲垣、草彅、香取が)テレビ局に出られないよう圧力をかけると独禁法に触れる怖れがある」と注意したが、こんなものは無意味だった。公取委はテレビ界を分かっていない。
ジャニーズ事務所がテレビ局や番組に不満があったら、抱えている人気者たちを出さなければいいのであって、圧力をかける必要などないのだ。
もしもジャニーズ事務所が「うちのタレントの出演はしばらく遠慮します」と告げられたら、テレビ局は震え上がる。下手をすると番組がつくれなくなってしまう。
出演させる、させないにまでは公取委も口をだせない。テレビ局側は忖度せざるを得ない。
孫正義氏と飯島氏の関係
稲垣、草彅、香取のCMが多いのは孫正義・ソフトバンクグループ会長兼社長(64)と飯島さんの信頼関係が影響している。
孫氏と飯島さんはソフトバンクのCMにSMAPが起用された2009年に出会った。すると孫氏は飯島さんのビジネススタイルや能力に惚れ込み、応援団のような存在になる。
稲垣の「ヤプリ」、草彅の「メルカリ」、香取の「BASE」と3人にはIT関係のCMが多いが、その起用にはIT界の超大物である孫氏の信頼を飯島氏が勝ち得たことが関係していると見られている。
3人は一般企業のCMも多い。これは財界人たちも協力した「東京2020パラリンピック」のスペシャルサポーターを務めたことが大きい。
本来はSMAPの5人で応援サポーターを務めるはずだった。だが、解散によって契約は白紙に。財界人たちは落胆した。
けれど稲垣、草彅、香取は解散後にあらためてサポーターを買って出た。飯島さんの計算にほかならないだろうが、ビジネスの基本の1つは「約束を守ること」なので、財界人に3人の味方が増えた。
一方で「なぜ、稲垣、草彅、香取は民放にはほとんど出ないのにNHKにはよく出るの?」という声をよく聞く。その理由も飯島さんの人間関係に尽きる。
誤解している向きも多いが、NHKという組織の性質は民放とまるで違う。ドラマ部門と音楽番組部門はまったく交流がない。
だから「歌番組にジャニーズ事務所勢が出なくなったら困るので、3人をドラマに出演させるのは控えよう」といった気遣いは生まれない。NHKドラマには忖度がないのだ。
その上、飯島さんはNHKドラマ部門とのパイプが太い。
「飯島さんの行動力は凄まじく、SMAPが人気絶頂の時期からNHK内を隅々まで回り、頭を下げまくっていた。それが今、生きている」(前出・ビクターエンタテインメント関係者)
[2/3ページ]