世界的旅行誌のイチ推しに「四国」が選ばれた理由 お遍路の「お接待」文化に注目が

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 外国人にお薦めの日本の観光地といえば、京都か奈良か、浅草か。世界的に有名な旅行ガイドブックの出版社「ロンリープラネット(以下LP)」が選んだのはナンと驚き、四国だった。

 LPといえば、個人旅行のための情報の充実ぶりで知られ、運営するサイトは月1300万人もの訪問者がいるという。毎年10月頃に次年の注目旅行先を国、地域、都市別にそれぞれ10位まで発表、本に編んで発売しているが、地域部門で6位に四国が入ったのだ。

 選定のポイントは「話題性」「ユニークな体験」「スゴい要素」「持続可能性」の四つがあるかどうか。この点、四国は本の中で〈外国人がなかなか垣間見ることのできない日本人の“ホンネ”に触れられる〉と評価され、徳島県の上勝(かみかつ)町と祖谷渓(いやだに)、そして四国八十八カ所を巡るお遍路が推奨されている。

 一体、何がいいのか。

 まず上勝町は「ごみゼロ宣言」をしたところが好ましく、読者にホームステイをして地域に貢献することを勧める。祖谷渓はご存じ「平家の落人」が逃れた地との伝説が残るが、奇橋「かずら橋」や、その奥地の「名頃(なごろ)集落」にも触れている。ここは、人間そっくりの“かかし”があちこちに置かれていて、

〈バス停で待っていたり、畑で働いていたりする人々は“かかし”だ。かつての友人や親戚を偲ぶために、そして過疎による孤独を癒やすために作られている〉

 そこには日本の都市化、少子化の断面が覗くというわけで、渋いところに注目したものだ。

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