岸田首相は早くもリベラル色全開 安倍元首相が避けてきた”事実上の移民政策”で波紋
自民党リベラル派を代表する宏池会政権が早くも波紋を広げている。宮澤喜一元首相以来約30年ぶりに宰相に就いた岸田文雄首相は、史上最長の長期政権を築いた安倍晋三元首相の保守路線とは一線を画す「岸田カラー」の打ち出しに躍起だ。長らく冷え込んでいた中国との距離感を修正し、事実上の「移民政策」にも舵を切る自民党内の「疑似政権交代」には自民党支持層の悲鳴も聞こえる。
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「日本は奈良、平安の昔から多くの渡来人を受け入れ、その技術や文化を受容することによって発展してきました。一説には、日本全体の人口が500万人前後という時代に、数十万人の渡来人が日本に定住し新たな文化をつくっていたというのです。その意味で日本人のDNAにはそもそも国際的な多様性を受け入れる素地があると言えますし、多様性こそが社会に活力をもたらすのも自明のことです」
10月19日に発行された岸田氏の自著『岸田ビジョン 分断から協調へ』(講談社)でさりげなく触れられた「ソフトパワー外交」の一文が今、注目を集めている。その理由は、岸田政権が外国人労働者の受け入れ拡大へ転換するとみられているためだ。
全国紙政治部記者が解説する。
「外国人の在留資格『特定技能』について、岸田政権は早ければ来年度中に在留期限を事実上なくす検討をしています。深刻な人手不足を理由にしたものですが、在留資格の更新や家族帯同を全分野で認めることになれば、『移民政策』といわれるでしょう」
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