投資額は2兆7700億円 江本孟紀が初めて明かす“女帝相場師・尾上縫”の素顔
尾上から影響されたこと
すでに、大阪ではイトマン事件が表面化し、同社の河村良彦元社長や伊藤寿永光元常務が大阪地検特捜部に特別背任容疑で逮捕されていた。そしてマスコミ関係者の間では「イトマンの次は、尾上縫」と囁かれていたのだ。どこからか、それを聞きつけた尾上は、精神的に追い詰められるようになり、最後は自殺しかねない様子だったという。そのため大阪地検は捜査を早め、急遽、奈良地検から応援人員を頼んで、彼女の逮捕に踏み切る。
事件後、江本氏は彼女について人に話すことはほとんどなかった。一方、実刑判決を受けた尾上は出所後、2014年に亡くなり、生前に建てた高野山の墓所に葬られる。
当時、尾上との会話で印象に残っている言葉があるか、江本氏に聞いてみた。
「店の中で尾上のおばちゃんとは、世間話ぐらいしかしませんでした。でも彼女が“朝はちゃんと仏壇に線香と蝋燭を立てて、花の水も毎日替えてあげなアカンよ”とよく話していたのを覚えています。やることが神がかっていたのは確かだけど、昔の女性らしく親や先祖のことは大事にしていました。そう言われてから、私も先祖供養をきちんとやるようになった。彼女の言葉に影響されたのかもしれません」
30年という年月は長い。だが、つわものどもが徒花として散ったバブルの記憶は昨日のことのようでもある。
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