投資額は2兆7700億円 江本孟紀が初めて明かす“女帝相場師・尾上縫”の素顔
「チケット買うたる」
銀行・証券マンたちと話していると、尾上が彼らを引き連れてパチンコに出かけることがあると聞かされた。
「私はパチンコをやらないんだけど、尾上は“ここでやりなさい”などと台を指示するそうなのです。すると、ジャンジャカ出るという。そんなことってあるのかと思いました」
当時、ワイドショーの司会を始めていた江本氏にとって、尾上は格好の取材先だったのである。
寺尾氏の著書にも出てくるように、尾上は江本氏のために大サービスもしてくれた。大阪港に寄港していた豪華客船、クイーン・エリザベス2でのショーだ。
「それはね、ある時、大阪で僕のトークショーがあると大黒やで飯を食っているとき話をしたんです。そうしたら尾上のおばちゃんが“じゃあチケット買うたるから”と言う。チケットが売れても私が儲かる仕組みではなかったのですが、彼女は店に来ている客たちを10人かそこら連れて、来てくれたんですよ」
江本氏が本拠地の東京から大阪に行くのは、年に数度。プロ野球解説の合間に大黒やを訪れていたが、91年になると、店にもバブル崩壊の足音が聞こえはじめた。
「途中から店をとりまく雰囲気が変わってきましてね。何だか事件になるような話がマスコミから流れてきたりしたのです。それで、行きにくくなり、大阪で用があっても大黒やを訪れることはなくなりました」
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