大物占術家が明かす細木数子の“裏の顔” 資料を丸パクりされ絶縁

エンタメ

  • ブックマーク

“お金が欲しい”

「彼女と出会ったのは、74年のこと。堀尾さんに“会ってほしい女がいる”と言われたんです」

 とは、「真理占星学会」会長の神熈玲(じんきれい)氏である。神氏は御年90、この道70年の現役占術家。幼少時、故あって小金井一家の幹部に育てられた関係で、堀尾とも面識があったという。

「指定された喫茶店に行くと彼女が座っていた。“あなた、堀尾さんと一緒になりたいの? それともお金?”と聞くと、“お金が欲しい”と即答したことは今でも鮮明に覚えています」

 これをきっかけに彼女と交流を持った神氏だが、後に“事件”が起こる。

「82年のある日、細木さんが“自叙伝を書きたいから、占術の本を貸してほしい”と言ってきた。不思議に思いましたが、持っていた資料を全部提供した。ところが、出来上がった本を見ると、自叙伝じゃなく、『六星占術による運命の読み方』という、占いの本ではないですか。それも中身を見ると、貸した資料を無断で引用したり、そこに彼女自身の独自の解釈を加えた代物。占術の正道からは大きく外れたものだったんです」

 これを機に神氏は細木と絶縁。

 他方の細木は「六星占術」シリーズでベストセラーを連発し、歴代総理の指南役と言われた安岡正篤の晩年の妻ともなる。テレビにも度々招かれる一方、強引な「墓石ビジネス」も展開し、巨万の富を築くようになった。

「今さら悪口は言いたくありませんが、彼女が亡くなったと聞いても感情が動かなかったのは事実」(神氏)

 虚と実の狭間を生きた人生を象徴する逸話である。

 今頃はあの世で、どんな占いをしているのだろうか。

週刊新潮 2021年11月25日号掲載

ワイド特集「『大殺界』を抜けて」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

あなたの情報がスクープに!

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。