「幻魔大戦」りんたろう監督が語る 「角川アニメ」誕生の80年代と「鬼滅」の現在

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 1976年の『犬神家の一族』からスタートした「角川映画」は、日本映画界を席巻した一大ムーブメントだ。この波は1983年公開の『幻魔大戦』でアニメにも及び、大人のためのアニメ映画を広く世の中に届ける契機となった。「角川アニメ」は日本のアニメ映画史においても、大きな転換点だ。

 現在開催中の「角川映画祭」では、EJアニメシアター新宿会場で、そんな傑作が多数上映されている。今回、『幻魔大戦』や『カムイの剣』(1985年)などの監督で「角川アニメ」誕生に深く関わった、りんたろう監督(80)に当時のアニメ事情や現在との違いについて語ってもらった。【数土直志/ジャーナリスト】

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――80年代の角川映画について教えていただけますか? 一大ブランドになった「角川アニメ」のスタートである『幻魔大戦』から、『カムイの剣』『火の鳥 鳳凰編』(1986年)と次々と監督されました。当時「角川アニメ」といったブランドや、何か違うことをやると意識されていたのでしょうか?

りんたろう監督(以下、りん):ブランドを意識するというより、(角川)春樹さんと一緒に最初からやってきましたからね。もうほとんど共闘している感じです。春樹さんは当時角川書店の社長だし、プロデューサーの立場ですけれど、年齢的には同世代ですから。最初からしっくりするところがあって、お願いされてというよりも一緒になって作りだした。

――最初に角川春樹さんに出会われたのはいつ頃ですか?

りん:僕が東映動画(現東映アニメーション)で『銀河鉄道999』(1979年)『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』(1981年)をやっていた頃で、知り合いから「角川春樹が会いたがっているんだけれど」と電話がありました。春樹さんは飛ぶ鳥を落とす勢いでしたから「是非、お会いしたいです」と。春樹さんは当時の映画業界の5社体制をひっくり返していましたよね。異端児です。僕からみたら小気味がいいなと。

――角川さんは『銀河鉄道999』を観て、感動されて?

りん:目論見はあったんですよ。お会いして最初に「アニメを作りたいんだ。俺、ディズニーになりたいんだ」って。「なんでディズニーになんだ」と思いましたけれど、要するにアニメの世界でトップに立ちたいんだと。「面白いじゃないですか」って。そこから企画の話になって、二人三脚でいろいろなことをやって進んでいったんですよ。共闘しているといった感じです。

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