山口壯環境相に公選法違反疑惑 「温泉ホテル接待」で利益供与、事務所は請求書に“小細工”
官僚に偉そうにするのが悲願だった
「週刊新潮」は2021年10月28日号で、山口壯(つよし)環境相(67)の勉強会の会場費をめぐる“闇献金”と、公設秘書の給与をピンハネしていた疑惑を報じた。今回さらに、有権者への利益供与を行っていた疑いが噴出した。
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【証拠写真】入手した請求書の一部。参加人数52名のところが数量が12人となっている
温暖化対策に消極的だった国に贈られる「化石賞」。11月13日までイギリスで開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締約国会議)で、日本がこの賞を受賞した。小泉進次郎氏が環境大臣だった時も受賞したことは記憶に新しいが、山口壯・新環境大臣もそれに続く形になった。大臣としての初の国際舞台にもかかわらず、与えられたのがかように不名誉な賞では、本人も忸怩(じくじ)たる思いがあるに違いない。
「外務省出身の山口さんは以前から大臣になりたくてしょうがなかったんです」
とは山口大臣の元秘書の談である。山口大臣は外務省を1995年に退官し、2000年、兵庫12区から衆院選に無所属で出馬している。初当選後、民主党を経由して自民党入り。苦節20年でようやく掴んだ大臣の椅子なのである。
「昔から“俺は大臣になるために外務省を辞めたんだ”“大臣になって俺を見下した奴にガツンと言うんだ”とよく言っていました。自分を蔑(さげす)んできた官僚に偉そうにするのが山口の悲願でした」(同)
官僚を見下す立場に立てても、化石賞で各国から“見下される”立場に追いやられては、初の大臣として必ずしも好調なスタートとは言い切れないだろう。
闇献金、ピンハネ疑惑に続き…
本誌(「週刊新潮」)は岸田文雄内閣発足直後にそんな山口大臣の疑惑を報じている。それは大臣の勉強会の会場費について、親しくしていた企業に肩代わりしてもらい事実上の“闇献金”を受けていたこと、公設秘書の給与を山口大臣がピンハネしていたことなどだった。今回、本誌が取材を進めると、さらなる疑惑が浮上した。地元兵庫の有権者に対し山口大臣が「利益供与」していた疑いがあるのだ。
利益供与といえば、安倍晋三元総理大臣の「桜を見る会前夜祭」の問題が知られる。桜を見る会の前日に都内のホテルで地元山口の後援会員らを招いた夕食会が開かれ、その会費5千円が安すぎるのではないかと問題視された。野党に散々追及された挙句、安倍元総理は東京地検特捜部に聴取される事態に。結果的に安倍元総理の公設秘書が略式起訴されている。
今回、山口大臣のケースで取り上げるのは“宿泊付き接待セミナー”。この事案も「安すぎる」のでは、と疑念を持たれているのだ。
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