10万円給付、異論続出の「960万円問題」の源は? 7年前から指摘されていた「児童手当の欠陥」

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 政府は11月19日の臨時閣議で、過去最大55兆7000億円の経済対策を決定した。この中には、関心の高い「高校3年生までの子供に10万円の給付を行う」という政策も含まれている。

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 10万円給付に関しては、有権者や自民党内からも異論が多かった。更に政府の制度設計も迷走が続いた。

 混乱した原因のひとつに、給付にあたって「児童手当」の制度を利用しようとしたことが挙げられる。

 朝日新聞(電子版)は11月18日、「10万円給付、16~18歳は要申請で調整 年内支給遅れる地域も」との記事を配信した。

 高校3年生までの子供なら、自動的に10万円が給付されると考えている有権者も多いだろう。ところが最後になって、「高校生は申請が必要です」という話が浮上したことになる。

 一体、どうしてこんなことになったのか、担当記者が言う。

「10月31日に衆院選の投開票が行われました。10万円給付は選挙前、公明党が公約に掲げたものです。この時は『18歳以下』という年齢制限だけでした。ところが、公約が報じられた時点で、有権者からはかなり不評でした。選挙後に自民党と公明党は制度設計に着手しましたが、決着まで二転三転しました」

 デイリー新潮でも、この問題は衆院選の前から取り上げてきた。記事のタイトルを2本、ご紹介しよう。

公明党が「18歳以下に10万円相当給付」で炎上 浅はか過ぎる公約のウラを読む(10月12日)

公明党は「10万円給付」をなぜゴリ押しする? 元公明党議員が解説する「内部事情」と「野中発言」(11月9日)

吉村府知事も批判

 同様にSNSでも10万円給付に異議を唱える投稿がかなりの数に上った。

「当時のTwitterでは、《親の収入に関係無しに給付。18歳の線引きの意味は?》、《困窮世帯に世帯全員給付の方が現状では必要だろ》といった投稿が典型例でした。反対意見は大きく2つに大別できるようです。1つは《親に所得制限を課さないのはおかしい》と、給付対象を厳選すべきというもの、もう1つは《困っている人は高齢者でも大学生でも支援すべき》と、対象者を増やすべきというものです」(同・記者)

 新聞各紙は11月6日の朝刊で、自公が制度設計を開始したことを伝えた。すると翌7日、吉村洋文・大阪府知事がフジテレビの番組に出演し、「(18歳以下の子供が3人いる)僕だって30万円もらえます」と給付そのものを批判した。

「維新は衆院選で躍進しました。その立役者のひとりが吉村知事です。有権者には大変な人気があります。もともと批判的な意見が多かったため、吉村知事の発言も広範な支持を得ました。結局、自公は11月10日に招集された特別国会に先立ち、『親の年収が960万円以上の子供を対象から除く』と所得制限を課すことで合意しました」(同・記者)

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