本田望結インタビュー 青森山田の高校生活、モヤモヤを晴らしてくれた中村玉緒さんの言葉

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考えた“結果を出すこと”

 1年生のときには、若手女優の登竜門とも言われる第99回全国高校サッカー選手権大会の16代目応援マネージャーに就任した。青森山田高校サッカー部は、この大会で優勝候補の大本命だった。

「黒田(剛)監督とも交流がありますし、学校でも仲の良いお友達が選手として出場しているので、試合会場などで会うのは不思議な感じがしました。準優勝でとても残念だったのですが、そのときも“結果を出すこと”について考えました。

 サッカー部は全国大会で優勝するべく、どこにも負けないと言えるぐらいの練習量をこなしています。そしてプレッシャーをはねのけて、青森県大会では25年連続で優勝していますし、全国大会でも決勝まで進みました。でもどんなに完璧な練習をしても、強い気持ちを持っていても、必ず勝てるわけではない。それがスポーツの残酷さであり、おもしろさでもあるのですが……。ただ、勝つことよりも負けることから学ぶことが多いと思うので、今後、みんなが進学したりプロに行ったりしたときに、あのときの悔しかった思いを晴らしてくれると信じています。

 私もインターハイでは『青森山田』と書かれたジャンパーを着て試合に臨むので、その名前を背負うのに恥じないような成績を残したいです」

役を完璧に演じ切ること

 来年は高校生活最後の年になる。フィギュアでは昨年シニアデビューを果たしたばかりだ。俳優として、またフィギュアスケーターとして、本田はどこへ向かうのだろうか。

「今、子役から女優になる大事な時期ですが、まずはいただいた作品ひとつひとつを丁寧にこなすことが重要だと思っています。以前、特定のイメージがつくことに悩んだ時期があったのですが、映画『ポプラの秋』(大森研一監督)で共演した中村玉緒さんに、『望結ちゃん、嫌われる役が来たら、本田望結は大っ嫌いだと言われるまで、その役をまっとうしなさい』と言われたことがあるんです。役者としてやらなければならないのは、イメージ以前にいただいた役を完璧に演じ切ることだと。玉緒さんの言葉でモヤモヤした気持ちは消えて、今は、この先どんな役が来ても必要とされたら裏切らない演技をして、次につなげていこうと思っています。

 それと、『家政婦のミタ』で共演した松嶋菜々子さんや長谷川博己さん、中川大志さんをはじめ、幼いころに共演した方々と、再共演してみたいです。あのころにはあって今は失われている部分を取り戻せるような気がして、再共演は特に実現したいという思いが強いです。

 フィギュアでも、ちょうど今、体の変化が大きく大変な時期を迎えています。体をグッと絞ることはできますが、女優として今後も仕事をこなしていくことを考えるとバランスをとるのは難しい。フィギュアスケーターの目標はシニアで全日本に出場することで、これがかなわない限りはスケートを辞めるつもりはありません。とにかく後悔をしないように、体のこともしっかり考えていきたいと思っています。

 そして、真凜と紗来(さら)と姉妹3人で全日本に出場したいというわがままな夢もあります。ただ、これは3人それぞれが自分の目標をクリアして行けばかなうはずなので、まずは自分の技術を少しでも上げていけるよう、限られた時間の中でしっかり練習したいと思います」

(了、敬称略)

デイリー新潮編集部

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