悪気はないのに恨まれるのは辛い…妊娠した子を認知、不倫、恋人の三股「46歳独身男」がボヤく理由

  • ブックマーク

一人目は37歳「芙美さん」

 今、彼がもっとも足繁く通うのは、芙美さん(37歳)の自宅。ここには4歳になる彼のひとり息子がいる。すでに関係は6年になる。

「実は芙美に子どもができたと聞いたとき、『結婚しよう』と言ったんですよ。結婚してひとりの女性だけを愛せるかどうかはわからなかったけど、それでも社会通念上、この場合は結婚したほうがいいのかな、と。そうしたら芙美が『あなたと結婚しても、いい家庭は作れそうにない。同居しているのにワンオペでイライラするくらいなら、最初からひとりで育てるわ』と。すごいでしょ。僕は浮気を公言しているわけではないし、他の女性の影をちらつかせるようなこともしたことはない。それなのに芙美は何かを感じ取っていたんでしょうね。まあ、僕が家庭向きではないとわかっていたのかもしれませんが」

 そこで婚姻届は出さず、子どもの認知だけした。芙美さんは、近所に住む姉に助けてもらいつつ、仕事をしながら子どもを育てていた。さすがに陽太さんも、ときには泊まり込んで子どもの面倒を見たが、芙美さんに怒られてばかりいた。

「泣いているとすぐおむつを換えるんだけど、実は子どもはお腹がすいていたというようなことがありまして。ちゃんと見ていればわかると言われたけど、母親のようにはいかないんですよね」

 芙美さんがイライラしてくると、陽太さんは自宅に逃げ帰るしかなかった。自分はダメな父親だと猛省するのだが、それが次に生かされるわけではなかったようだ。

二人目は3歳年上の「香奈恵さん」

 そんな彼の逃げ場のひとつとなっていたのが、15年という長きにわたってつきあっている3歳年上の香奈恵さんだ。彼女は大学時代のサークルの先輩で憧れの女性でもあった。陽太さんの卒業から5年たって再会したとき、彼女はすでに結婚して子どももいた。結婚してすぐ夫の仕事の関係で渡米し、そこでふたりの子を出産したという。

「その後、ときどき会うようになって、いつの間にか関係ができていました。香奈恵とは僕の自宅で会うことが多かったですね。下の子が小さいころ、何度か子連れで来ました。さすがにその状態では何もできないと思ったけど、彼女が妙に色っぽく迫ってきたので、つい……ということもあった。今、ふたりの子もひとりは就職して、もうひとりは大学生になっています。彼女も仕事に復帰してバリバリ働いています」

 女性ふたりはお互いの存在を知らない。ただ、香奈恵さんはときどき、「あなたもそろそろ落ち着いたほうがいいんじゃないの」と言う。探りを入れられていると陽太さんは思っていた。

 ふたりの固定化した女性、しかもひとつは子どももいる疑似家庭。それで均衡が保たれていたのに、陽太さんの女性好きはそれだけにとどまらなかった。

次ページ:そして三人目が…

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[2/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。