江藤淳とジョン・ダワー――思想的立場の違いを超えて彼らが見た「近代日本」
「近代化」は欧米を先頭に進むとする歴史観はベトナム戦争を思想的に後押しした。しかし、そこに垣間見える「上から目線」に反発し、「並行し、競い合う『諸近代』」という考え方を打ち出したアメリカの歴史家ジョン・ダワー。同じく「近代化論」を批判した江藤淳との、左派・右派の枠組みを大きく超えた交流は今なお興味深い。その詳細を、ジャーナリスト会田弘継氏による『世界の知性が語る「特別な日本」』(新潮社)からそのエッセンスを抜粋・再構成して紹介する(前篇からつづく)。
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